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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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爆音はじまりました



遅ればせながらわたくしのラストバウスが始まりまして、先日は三作品立て続けに観ていたのでした。
まずは、ゆらゆら帝国ライブ@日比谷野外大音楽堂。
ギリギリで立ち見にセーフ。爆音史上最大の動員だったそうで。
編集も音質も粗いが臨場感はある。ライブにも二回行ったがおおよそこんな感じであった。
映画というよりは昔懐かしいフィルム・コンサートでかかっていたようなブツ。ライブなのでインプロやりまくりだが、スタジオ作品ではこの辺をちゃんと抑えてコマーシャルに作っているのがこのバンドのいいところ。「それだけ」やってるおサイケバンドなら山ほどいるのである。
正直、初期のはじけた曲も聴きたいなあと思ったがしかし、『夜行性の生き物三匹』は上がる。
音頭×ロックンロール。小難しい理屈抜きで作られたスマートな名曲である。

お次は『デス・プルーフinグラインドハウス』。
これだけバカバカしくてカッコよくて気持ちのいい映画はない。爆音で観るのは三回目。
ここのところキッチリした映画作りをしているタランティーノですが、たまにはこんなバランスが悪い、何のメッセージもない、オタ趣味丸出しの(しかも、おなごの尻っぺたやつま先を執拗に撮りまくる)作品もお願いしたい。
モーターサイコ野郎のカート・ラッセルが後半どんどんアホになっていく。イカしたラップダンスを披露するヒスパニックおねーちゃんを始め、登場する女が全員ビッチである。こいつらの下衆な女子トークに無駄に時間を割いているのも本作の特徴。
そして走行する車のボンネットに乗り、ベルトのみの命綱で「イヤーッホー!!」とかなんとか大はしゃぎするスタントマンのねーちゃん、すっごいアホ。しかしながら体を張ってこのアホアホなスタントをやっているところが最高。
タラの選曲によるマニアックな音楽。唸りを上げて暴走するクルマ。「アホか?!」以外にかける言葉がないラストなど、劇場の爆音で観るべき映画である。

三本目『Dr.フィールグッド オイル・シティ・コンフィデンシャル』。
この最高のバンドの最高の時期という最高の素材を、例によって一人よがりな映像コラージュでズタボロにした、ジュリアン・テンプルの才能に脱帽。




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マイベイビーベイビー薔薇薔薇



ラピュタ阿佐ヶ谷にて『薔薇の葬列』(監督/松本俊夫・69年)鑑賞。
アングラ・前衛・アヴァンギャルドと呼び方はなんでもいいけど、いかにもATGな作品。
主演・ピーターのはじけっぷりが最高です。冒頭で、いきなり全裸でおっさんと絡むピーター君はこのとき、若干16才。今じゃとんでもない話。
当時はブルーボーイとかシスターボーイと呼ばれていた、ニューハーフの元祖。それにしても昭和のネーミングは常にセンスがいい。
素顔のピーターはかなり目と目の間が離れていて、中性的な雰囲気ではあるものの、すげえ、微妙なカオ。
ところがメイクすると見事なズベ公美人に。うわあ化粧ってすげえ、こええと改めて思う。
今の女装子のクオリティからすると少し下がるが、かなりイケてます。
というわけで、難しく考えるよりは当時の遊びまくったポップ・アートな作品として接するのがよろしかろうと。
どう見たってメッセージとかないよこれ。ゲイボーイの生き様?っつっても、ゲイバーのオーナーを寝取ってママとケンカしたり、ヒッピーとラリって乱交とかしてるだけだもの。
いや、ギリシャ神話の「オイディプス」を下敷きに、と解説には書いてあるんだけど、読んだことないので知らん。めんどくせえから別にいい。
倒錯していようとも、自分の資質と性的嗜好が一致している人は幸せだと思う。自分を女として作り上げた時のピーターはとても生き生きしている。
M女さんとご主人様とか、双方が合致すればとても濃厚な時間が得られるのだろうけども。
乗るか反るかである。自分は乗り切れなかったんだよなあー、などとちょっと思い出したりして。結局、中途半端にSとして開発されてしまったので、女性の方は近づかないほうが無難です。まあハンパなくモテないからね、心配ないね。

という話はどうでもよく(サーヴィスだな)、先日『毎日ぞんび』の続編・『LIVING DEAD ★ COCKTAILS』の撮影を無事に終えたのであります。
バーが舞台である。音楽はインスト・サイコビリー・バンドの『BOBBY'S BAR』に提供して頂いたので、かなりシャレオツな出来になる予定。
井の頭公園でロケもしました。とてもいい陽気で、人が賑わっている中にゾンビを三匹ほど放ちました。
しかし丸井からイノコーってのは最も人通りが多いところで、よくここをずんずんと歩いて行ったよなゾンビーズ!と思う。
今回自分は脚本/監督ということになっているのですが、撮影して編集するのが本来の監督だと思いますので、クレジットは(監督)とか、監督(?)とか、監督(仮)にしてほしいです。

ATG×ヤクザ×頭脳警察



ラピュタ阿佐ヶ谷にて『鉄砲玉の美学』(1973年/監督・中島貞夫)鑑賞。
オープニングからいきなり頭脳警察の『ふざけるんじゃねえよ』が流れ、トバす。
早すぎる完璧なパンクである。これは上がるよ。大好きだ。
「ふざけるんじゃねえよ/てめえの善人面を/いつかぶっとばしてやらあ!」

渡瀬恒彦演じるのはウサギ売りのテキヤ。が、商売はうまくいってないし、麻雀は勝てない。ソープ嬢、いや間違えた、トルコ嬢と同棲している。
このトルコ嬢がウサギに餌をあげていると知ると「でかくなったらどうするんじゃ!あれはこまいのが価値なんじゃ!」と、ぶち切れ殴る蹴る。
そんなどチンピラの彼が鉄砲玉として抜擢される。ピストルと百万円を渡され、しっかりカチこんで来いよと。それをきっかけに、彼の属する組織が九州に進行するための口実なのである。
つまり死んで来い、と。
(ピストルを持った渡瀬のバックに、同じく頭脳警察の『銃をとれ』が流れるのだが、この歌はそういう意図で作られたんじゃないと思う。ははは)
ミッシェルガンエレファントみたいな黒スーツを仕立て、夜の街を豪遊するが、なかなか実行には至らず。
ビビッてしまう。実際のところ、チャカが怖くて撃てない。
川谷拓三とバトったり、杉本美樹とファックしているうちに、両組織が手打ちとなり、彼はまったくの用無しとなる。『鉄砲玉の美学』というタイトルは、完全に皮肉なんである。
そして本作品のラストは、「ジュピターまで」でお馴染み、松田優作IN『蘇る金狼』とそっくりであった。元ネタか?
最後の最後に頭脳警察のレアな名曲・『今日は別に変わらない』が流れる。
どれくらいレアかっつーと、ユーチューブでもアップされてないというくらいレア。

ATGがヤクザ映画を撮るとこうなっちゃうという。最底辺の若者のロードムービーみたいな趣もあり、「仁義なき戦い」以降のヤクザ映画の中でも最高傑作なんじゃないかと思うが、本作はDVD化もVHS化もされていないらしい。鑑賞するなら今です。

明日は短編映画撮影(「毎日ぞんび」の続編だよウ)のためお休みさせて頂きます。また給料日直後の土曜に休むという大胆さ。


アイ・フォート・ザ・ロボコップ



別にメジャーを否定しているわけではないのだけんども、個人の尺度なんてたかが知れてるもんで、特に映画なんてのは二時間近くつきあうわけだから、あまり自分の感性と乖離している作品はちょっと手が出ない。要するにキラキラしてるものが苦手なんである。壮大なファンタジー、つまりハリーポッターとかスターウォーズとか、僕にはまだ早い。
ホラーが好きなのも、きっと設定が日常だからだと思う。あと、面白かろうがつまらなかろうがそれなりに楽しめるジャンルなので、鑑賞が楽ちん。
ギリギリ『ロボコップ』はアリ。あれは実は、かなりエグいんですよ。レイプ未遂犯の股間を射撃しちゃったりとか(未遂ですよ、未遂!)。ブラックユーモア精神に溢れるラストには笑ったね。
というわけで、もうすぐなくなってしまうバウスシアターでリメイク版を観てきたのだが、最初から爽快なヒーローアクションだと思ってないから、なかなか面白かった。
犯罪防止用の警護ロボットを製作しているオムニ社。これを広めようとするだが、いかんせんロボットで心がないもんだから、平気で子供も殺しちゃう。世論も冷たい。そんな折、うまいタイミングで瀕死の重傷を負った刑事が担ぎこまれ、ロボコップとして再生させられる。心を持ったロボット警官の誕生。
彼らの目的はロボコップをヒーローとして世間に認識させ、政治的に有利に利用すること。
ロボットが主人公とはいえ、人間ドラマが生臭い。
ロボコップの中身は首と右手と肺だけの「三点盛り」。悪趣味ですね。
オムニ社の社長がマイケル・キートン。この人は初代バットマンですね。バットマンvsロボコップという裏構図。
思想的に偏りまくったテレビキャスターをサミュエル亭ジャクソン師匠が嬉々として演じており、また、おいしい役どころ。
黒いロボコップに賛否両論のようだが、いいじゃないですか、ハカイダーみたいで。
個人的に最も盛り上がったのは映画のラストで、ザ・クラッシュの『アイ・フォート・ザ・ロウ』が流れたことだったりする。
「おれは法律と戦って/法律が勝った」

※3月29日(土)は短編映画撮影のため、休業させて頂きます。
吉祥寺のどこかで何匹かのゾンビがうろうろしているかも知れません。





バウスがなくなる



吉祥寺ヴィレッジ・バンガードが閉店したときもちょっと驚いたのである。
え、この街ってそういう嗜好じゃなかったの?と。
そしていよいよ公式に発表された、バウスシアター閉館のニュース。
数ヶ月前に知ってはいたが、こちらもかなりショックだった。
完全に「アテに入れてきた」作品は他の劇場にまかせて、独自のプログラムを作っていた、ふらりと徒歩で行けた、あのバウスがなくなっちゃうのであります。
吉祥寺のカルチャー欄にでっかい空白。
サンロードなんてバウスがなけりゃ単なるアーケード街。
吉祥寺に来て10年になるのだが、その10年間で、バウスが持ちこたえられないくらい、街も人も変化したってことなのだろう。
しょうがないっちゃしょうがない。もっと商売に色気を見せるべきだったのかも知れない。
確かにスクリーンも大きくて音響設備もいい劇場も都心には多々あるが、「爆音映画祭」みたいな好き放題のお祭りができたのはバウスだけだった。それが吉祥寺独自の空気だったわけで。
思えば一番最初に行った爆音映画祭の作品が『ゾンビ』で、ゴブリンのサントラがびしびし響き、いや、これは本当にうるさいぞ!と嬉しくなっちゃって。
その年はたしか、世界一好きな映画『狂い咲きサンダーロード』や、劇場×爆音で観るとバカ度が増幅して素晴らしかった『デス・プルーフ』とかあって。翌年ぐらいからちょっとボルリューム下がっちゃったんだよね、ははは。
現在最後の爆音映画祭のリクエスト募集中。http://www.bakuon-bb.net/
やっぱり今は亡き山田「仁」辰夫さんの、サンダーロードが観たいかなあ。「春夏秋冬」とかどうでもいいよ。自分にとっての泉谷しげるは『電光石火に銀の靴』『翼なき野郎ども』である。
「長らくお世話になりましたーッと」「うるせーこのドブス!」「やってやろうじゃねえのよ!」と、名言も満載だ。
淫力老人・イギーポップのライブもよかったなあ。あれは究極のロッカーのひとつだな。ゆら帝ライブは満員で観られなかったんだよな。
孤独な少年が「なんちゃってスキンズ」のチームと仲良くなるが、出所した本物の極右の元に付いてチームは分裂。ガチのナショナル・フロントとなった少年が外国人排斥を繰り返すようになる『THIS IS ENGLAND』も切ない名作だよ今まで書き忘れてたよ。
先日久々に三鷹の「みたか」でラーメン食った。ほっこりとうまい。
ここも一度なくなって復活したのだが、バウスもどうにかならないものだろうか。

西新宿のアダルトショップ「翔壱書店」も一月の始めころにいきなり閉店。
というわけで『WATCH OUT』も自然消滅しました。
確かめに行ったら閉店のお知らせが貼ってあった。
ゆかりのあった場所がなくなっていくのは、まったく動向を気にしなくなっていたアーティストの訃報を聞くよりよっぽどさびしい。
泣いてない。

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