ちょう話題の映画『ヌイグルマーZ』を観てきたのですけれども、日曜の午前中に封切二日目の作品をお目当てにシネコンにいる自分、という状況が非常にレア。
知り合いの女性が出ています(といっても数回しか会ったことないが)。
どんなもんかと思っていたが、かなり、出てた。ちょっと驚いた。クレジットでも最初のほうに名前があった。パンフレットにも載ってた。
おっぱいから光線を出して街を破壊していました。羞恥心が原動力になっているようです。
「はずかし~」「はずかし~」
しょこたんの役柄への入れ込みを含め、非常にきらきらした作品です。普段ドロドロしたものばっかり見てっから、なんか刺さりました。胸がいっぱいになりました。幸福感に満ちた、いい映画です。
正義のロリータvs悪のロリータ。ピンクレザーのぬいぐるみ戦士。阿波踊りするゾンビ軍団。全編高円寺ロケ。人類を憎み滅ぼそうとする、猫ひろし。恐怖の乳ビーム。
恐るべき、井口昇監督のカオスでそーとーガーリーな、頭ん中。
しょこたんのオタクとしての人生をブレなく進むまっすぐさもすごいもんです。
カンフー映画へのリスペクトであろう、ヌンチャクを振り回してゾンビと戦うシーンもありました。当たってもあんまり痛くなさそうな、ふわっふわのやつ。
そして爆音が鳴り止まない度において、かの『爆裂都市』と双璧をなす。
なぜヌイグルマー「Z」なのかは映画を観てのお楽しみです。
パンフに掲載されているイラストレーター・三留まゆみさん(この方も大ベテラン)の文章が素晴らしすぎるので、買った人は必読。
んで、横柄な告知。
いつもは水と木を休んでるんだけどもよ、今週は木と金を休むんで、その代わり水曜がんばって開けっからよ、おれっちも多少社会人としての側面の事情もあるわけよ?な?
んで、31日はおなじみ吉祥寺フォースフロアhttp://fourthfloor.sub.jp/にて、なんだ?ロックのDJっての?それをやるらしいんですけど、どうせゆるいイベントなので来なくていいです。
なぜかまわりの盛り上がりに乗って『スケバン刑事 風間三姉妹の逆襲』を観に行ってしまって、果たしてそんなにスケバン好きだったっけ?と思わなくもないが上映前に四文屋で呑んで出来上がるわたくし@阿佐ヶ谷。
浅香唯さんは「今の顔」である(特に顎のライン)。大変かわいらしい。アイドルマニアのエイチ氏は「大西結花!」と盛り上がってました。
で、このシリーズ2作で80年代のアイドルをたくさん見たのだけど、結構みなさん、すっぴんに近い。
当時は今のようにセットでなく(ひどくなると「バーター」。あ、ごめん)、ピンで売られていたので、おのずと磨きがかけられていたのでしょう。
平成アイドルも大変かわいいっすけどね。振り付けもかわいい。あんなにかわいい振り付けを考えられるのは日本人しかいないと思う。
ところで浅香さんは「ワチ」「~しちくり」といった九州っぽい方言で喋っていたが、「谷岡ヤスジじゃん・・・ひひひ」と一人でおかしくなっていたわたくし。
そして京本正樹。「悪のなんちゃら」みたいな役をやると生き生きしてますね。ナンバーワンでありオンリーワンでもある(なんかそれ系の)。
ラスト、京本兄貴が乗ったセスナ機にヨーヨーひとつで立ち向かう三代目・麻宮サキ!
大西さんの武器は「なんか鉄っぽくてブーメランみたいな折鶴」、中村由真さんの武器はリリアン(で相手を刺す!「必殺」か~)!が、あんまり見せ場なし。
あと、別に誰も「スケバン」じゃないような気がするんだよね。
当時の「おまんら、許さんぜよ!」あたりなら流行語と認めてもよいのだが、今年の「倍返し」とか「じぇじぇじぇ」とか、ましてや「おもてなし」なんて使ってる人を見たことがないんですがどんなもんでしょうか。
みうらじゅん氏が数年前から「海女が来る!」と言ってたけど今年ほんとに来たもんな。
もっとも彼が推してたのはご当地のゆるいフィギュアだったり、昔の海女さんポルノだったりしたわけだが。
「ゆるキャラ」という言葉も考案したのはみうらじゅんである。
みんな普通に使ってるけど「マイブーム」もそうであった。
漂っている概念に固定詞をつけるのが天才的なんだと思う。
これからは「いやげもの」が来ますよ、きっと。
個人的に今年のトピックは「映画制作(『毎日ぞんび』)」に乗り出したことでしょうか。かかかかか。
ちゃんと劇場で上映したんだもんね。渋谷!アップリンク!!ファクトリー!!!
そして来年は続編を作るのである。乞うご期待である。スケールアップします。ちょっとだけ長くなります。
もうひとつは『watch out』でコラムの連載を頂いたこと。<吉祥寺さん、いい加減 あなたの顔を忘れたい>。
次回で10回目になります。来年もよろしくお願いします。実は毎回、「吉祥寺」あるいは「当店」のキーワードを入れて書いています。
あとダリッタオブなんとかとかいうのもあった気がするな。
なにかしてたような気がするが覚えてないな。忘れた。
年内の営業はあと28と29でおしまいです。28日はちょっと早めに閉めてしまいます。
ゆるキャラだから。俺が。
駆け込みで映画を2本観て今年も終わりにするのである。正月も結構忙しいんだよ俺。バイトで。
今年は数年ぶりで再会っていうパターンが多かった気がするな。
いつのまにか笹塚ラーメン屋「どうげんぼうず」の店主になってた、ロシアの殺人鬼みたいな名前の奴とか。
来年は11年目である。更新は再来年か。さあいよいよいつまで持つかわかんないから来たほうがいいよ。
先日は10年ぶりに来たというお客さんに、内容がまったく変わってないしマスターもまったく変わってないと言われた。人間ですか?とも言われた。
「先のことを一切考えない」という荒業のみで生き残ってる気がする。
っていうか、今でしょ?
先日、30~50代の男の子4人で映画版『スケバン刑事(87)』(@ラピュタ阿佐ヶ谷)を鑑賞して参りました。
観る前に四文屋で飲んじゃって、観たあとすうさい堂で飲むという、異常な盛り上がりを見せましてですね。
特に白目の多い構成員が「いや~よかったなあ」と今まで見たことがないくらいのご機嫌さん。要は南野陽子さんが大好きなんですね。
女子高生の特命刑事・麻宮サキが、不良少年少女を集め軍事訓練を施し、兵士として鍛えさせ日本にクーデターを起こさんとする組織を壊滅させるため潜入!
「悪の司令官」を演じさせれば当時随一であったであろう伊武雅刀に、重金属ヨーヨーで立ち向かう!!
何から何まで素晴らしく絵空事だが、CGじゃないから爆発シーンはガチである。ナンノのすぐ近くで火が上がるので、本気で逃げてる。
「ビー玉のお京」・相楽ハル子も久々に見たな。かわいいな。吉沢秋絵は顔ぱんぱんだな。
まあ東映作品なので、3人が共闘するシークエンスなど、お正月映画の「仮面ライダー全員集合」的なテイストである。
ナンノの私服シーン。やや大き目のピンクのカーディガン/ロングスカート/後ろで結えた白いリボン。
最強の80年代ファッション。
相手を「おまん」と呼び、「~じゃき」で締める。もう、ふわっふわである。
現実感が希薄である。そこがあえて舞台裏も見せてしまう平成のアイドルとの大いなる相違。
で、思ったのだが、ジャニーズなどの男性アイドルの顔が、一様にナンノっぽくなってるなあ、と。
ところで私はアイドルにお金を落としたことがないのだが、動画サイトでは非常にアイドルをよく見る。
AKBの「ハート・エレキ」なんかここんとこ毎日みてる。GS風味がグッと来ます。こじはる。
「恋するフォーチューン・クッキー」のソウルディスコ感も良い。今非常にいいよAKB !
(~風と打ち出してきた時点で、若干煮詰まっているのが透けてしまうのではありますが)
ももクロは確信犯でしょ。マーティ・フリードマンもカバーしてるし。
BiSなんてなにひとつアイドルっぽくないのに、あえてその枠組みで活動してる気がする。
もはやアイドルじゃないが、perfumeのパフォーマンスはいつ見てもすごいと思う。
10年後にあそこまでキレのある動きができるかどうかってのは疑問なので、彼女たちはまったくもって刹那を生きてるよ。
一人一人は特別美人じゃない、とかってのはもはやく論外だな~。換えがきかんのだ、あの3人は。
アイドルに関していまだに口パク云々とか言ってる輩の感性が嘆かわしい。ニコニコ笑顔とダンスは本物じゃないか!
それよりダメだなあと思うのは、ライブではスクリーンで遮って、自分たちの姿を見せずに演奏するとかいうバンドである。なんかもう理屈ぬきに嫌いだ。
昔ピンク・フロイドが客との間に巨大な壁を作って演奏したことがあったが、そういうことはそれくらいビッグになって、「病んでから」やって頂きたいと思います。
いまだにこれをどう整理したらいいのか、ゎかりません。松本人志監督『R-100』。
ひどい、客席ガラガラ、シャレにならない大赤字、などと散々な言われようだが、100円落ちレンタルじゃなくて、実際に劇場で鑑賞すると、ガッカリ感もまたひとしお。
予想を超えたヒドさじゃなくて、「やっぱりこの程度か・・・」で収まるくらいの痛さ。
結局松本作品4作を全部観てしまったのだが、思うにこの人は「スクリーンは笑いを殺す」という原理がわかっていないらしい。
劇場で大笑いしたことあります?多分ほとんどないでしょ?
コメディとしてヒットする邦画は、三谷幸喜が作るカッチリしたやつか、寅さんや釣りバカみたいな、ペーソスが基盤になっているものばかり。
しかも松っちゃんの笑いの質はそれらとは全然違うから、完全に水と油。
規制だらけのテレビの中でこそダウンタウンはキレまくっていたんであって、自由すぎる映画じゃ尺に会わないんだよ、ダブダブなんだよウということを、ブレーンの高須君たちもわかっておらんのだ。
で、それを身の丈に会わないレベルで劇場公開しちゃったもんだから、税金対策もぶっちぎりの大赤字らしい。
『大日本人』のハズしにハズした感、『しんぼる』はビジュアルバムあたりだったよかったかも知れないが、あれをスクリーンに垂れ流すってのがほんと厚顔無恥。メキシコレスラーのエピソードなんていらないと思うよ?
『さや侍』は、「またホントーに嫌なものを作ったなあ」という感想しか出ない。
松本人志はどんな過激なギャグをやっていてもちょっと「はにかんでいる」ような風情があって、それこそが彼のセンスの根底にあるものだったのに、そいつを生かすことができない映画って表現の中では、どうしたってギクシャクせざるを得ない。
本当に見るべきところがないですよ、劇場公開ももう終わったようだけど。
話のスケールが大きくなるにつれ観客はどんどんいたたまれなくなっていく。
もういいから、やめて松っちゃん!と言いたくなった。
だからカルトにもならない。エド・ウッドの作品なんかは予算も才能もまったくないのだけど、映画に対する愛情だけはあって、それが一部の偏食家の琴線に触れたりする。
松本作品は映画に対する愛がない。だけど膨大な予算を湯水のように使える。このイラッとする感じ!
説得力を失った『シネマ坊主』はすっかり紙くず。
メタフィクション構造がどうのこうのって話も別にどうでもいいや。それ以前の問題なんだもの。
富永愛さんはモデルだけあって抜群に女王様ルックが似合う。サトエリの可愛さも健在。寺島しのぶさんが巨乳。
そんだけ。
鑑賞後、情けなさのあまりちょっと涙ぐんじゃったって体験は初めてだ。
ハッキリ申し上げますと、『毎日ぞんび』のほうが面白いと思います。
松本人志は同じ芸人でありながら映画でも大成功している北野武を意識している。
最近『アウトレイジ・ビヨンド』なんかも観ちゃったもんで、この二人を同列に語ることはとてもできない。
才能もさることながら、くぐって来た修羅場の数が明らかに違うんだもの。
『R-100』豪華出演陣の中で、松本人志の演技はやはり一際コントであった。
ビートたけしも決して演技はうまくないんだけど、彼が登場した時のハッとするような空気は、その人間が培ってきたものだから、もうどうしょうもないじゃないの。
「映画を壊したい」なんて発言は、普通の作品を作ってからだなああああ(それにしたって『みんな~やってるか?』はかなり痛いんだけど)。
あれだけ笑わせてもらったカリスマとのお別れはちょっと寂しいが、まあ僕らにはユーチューブがあるからね~。
市川海老蔵×柴咲コウ×三池崇史で「四谷怪談」リメイクだそうで、三池監督って大ヒットとおおハズシの落差が極端なのだが、ホラーとは大変相性が良いからこれはちょっと期待できるかも知れない。
四谷怪談史上初「お得意の」R指定で是非お願いしたい。自分なんかはもう「R-15」ってのは一種、安心のブランドというか、ドレスコードだと思ってる。
で、やっぱり押さえないといけないのは『東海道四谷怪談』(監督・中川信夫)。『地獄』と一緒にレンタル。TSUTAYA新宿店はレア映画の宝庫。
1959年製作の75分しかない作品なんだけど、怪談という枠を取っ払っても邦画史上屈指の名作ですよこれは。
顔が崩れたお岩さんのメイクとか今見てもゾッとするし、例の有名な「櫛で髪をすくと髪の毛がぞろぞろっと抜ける」日本人なら誰でも知っているシーンも、そこいらの流血シーンなど蹴散らすほどの気高い禍々しさである。
本作は、狂った人物が登場しないところが怖い。小悪党・直助にそそのかされて悪事を繰り返す伊右衛門(天知茂)は本当のところ心の弱い侍だし、直助は徹頭徹尾こすい奴だし、イエモン(めんどくさいのでこの表記で)に「お前、岩と関係しろ」と仕掛けられ「お前、間男の罪は知っておるな」と殺されてしまう按摩の宅悦は単なるエロ親父。お岩は基本的にピュアラブな人。
ごく普通の人間しか出てこないので「狂ってるぜ!イエイ!」と、ポップに盛り上がることが出来ないし、ひたすら彼らの「業」ってやつを見せつけられる。そこが『悪魔のいけにえ』や『ホステル』なんかとの明確な違い。その辺の作品って、実は本質的にポップなんである。そちらはそちらで好きだけど。
後半のお岩さんによるリベンジが見せ場。、落ちてくる蚊帳やうごめく蛇などを使った演出がカッコいい。
イエモンはお岩と宅悦の死体を戸板に打ち付けて沼に流すのだが、復讐シーンではその板が交互にひっくり返って「リャンメンで」恨みごとを言われます。ものすごく嫌です。
イエモンが「お岩、許せ」と真人間っぽく死に、子供を抱きながら成仏していくお岩さんのラストが本作の救いか。
森一生による『怪談 お岩の亡霊(69年)』なる作品では、イエモン役が佐藤慶で、実にアウトレイジなキャラで通した。そちらも名作。
『地獄(1960年)』ってのはぶっ飛んでる。CRAZYというよりは「MAD」なブツ。とりあえず生前に何らかの悪事を働いた「登場人物が全員」地獄に落ちるんである。他にないよ、そんなシャシン。
吊橋での簡単な小競り合いや、自殺や、集団食中毒(見事に全員死亡!)で次々と。実は自分、この展開に爆笑していたのだけど。
別に悪くないんじゃない?って人もまとめて地獄行きさ。これは、ポップじゃないですかね?主役はここでも天知茂が張る。がんばる。監督も同じ中川信夫。トバしまくっている。
オープニングタイトルでは半裸の女性が次々登場するが、これは「現世の業」を象徴しているのだろうか。うへえ安っぽくもわかりやすい、と思う。
地獄なので鬼もいるし、閻魔大王もいるし、責め苦もある。
印象に残るのが「皮剥ぎ」で、要するに俳優が首だけ出して、胴体を「刺し盛り」のように作っているのは見え見えなのだが、心臓がぴくぴく動いていたりして妙にグロテスク。これを公開当時見た人のトラウマたるや。
その他首をひっこ抜かれたり(これも体を埋めて首を出しただけ)、歯をつぶされたり、腕を切断されたり、血の池だったり針の山だったり賽の河原だったり。
唐突に終わる地獄のシーンと(無間地獄ってこと?)、妙にファジーなラスト。血の池を蓮の花に乗せられて流れていく赤ん坊(大変な役者デビュー)。
どちらも新東宝という、キワモノを売りにした徒花のような映画会社の製作なのだけど、これを観た社長さんはさすがに怒ったらしい。
そういえばかの石井輝男監督も『地獄』をリメイクしていて、当時まだ生きてた宮崎ツトムや毒入りカレーおばさんが地獄に落ちて刑罰を受けるってすげえ内容だったな。
後半なぜか丹波哲郎演じる「サムライ」が登場し、地獄の鬼をバッタバッタと斬りまくるというトンデモない展開。
元ネタをたどれば『忘八武士道』という作品からスピンオフしたキャラなわけだけど、そんなの何人がわかったんだ?
たしか「明日死能(あすしのう)」というお名前でした。ネーミングセンス最高。