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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

【すうさい堂最新情報/極私的ツイッタァ】 ■■ 火曜と水曜が定休です。※店主が大昔に描いた絵を売り始めました。

DJ魔墓呂死



日々、郵便受けに行くのがこわい。なんかもういやあな気分になるようなもんばっかり入ってる。過呼吸になりながら郵便受けにたどり着いて溜まったチラシを捨てると残るのは、やっぱりそのまま捨てたいものばかり。溜まっていく健康保険。ね、ねね年金?ちなみにディスクユニオンの袋ならたくさん持ってるのだが。
そういうことで爆裂都市+サンダーロード大会も終了。こんなリストでした。

「セルナンバー8」バトルロッカーズ
「裕福の飢餓」泉谷しげる
「オール・ナイト・ロング」ザ・ルースターズ
「カラカラ」サンハウス
「サル」ザ・スターリン
「ワルシャワの幻想」ザ・スターリン
「シャープシューズでケリ上げろ」バトルロッカーズ
「電光石火に銀の靴」泉谷しげる
「トゥ・シューズ」PANTA&HAL
「揺らぐ街」泉谷しげる
「ルイーズ」PANTA&HAL
「国旗はためく下に」泉谷しげる
「火の鳥」泉谷しげる
「つれなのふりや」PANTA&HAL
「翼なき野郎ども」泉谷しげる

以上でした。秋はバドワイザーがうんまい!からあげクン毒とかげ味と一緒にいかがですか?!!!
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そんな身体でバイク乗れんのかよ?



祝・『狂い咲きサンダーロード』プレミアム上映。もう来週だからチケットもないだろうし混雑するだろうし永野とかのどうでもいい人も出るのでスルーなのだが、通常上映になったら絶対に行く。
単館とはいえシネマートって結構でかいのだ。過去のバウスシアター爆音上映が鳥肌もんだった。あの素晴らしいビリビリをもう一度。
この作品は「パンク・ムービー」と称される。でも出てくるのは暴走族(と、スーパー右翼)だし、音楽は泉谷しげるとPANTA&HAL。
そう呼ばれる由来は抑制が効かない、あるいは解放されまくっている「仁さん」(山田辰夫)のキャラにあるのだろう。
オンとオフしかスイッチがないし(微調整の機能なし)、右翼の訓練なんてかったるくてやってられないから、捨て台詞は「長らくお世話になりましたーっと」。最後の「-っと」が大事だ。
後先考えず敵の中へバットのみで突っ込んでいく姿はもう、カッコいいのかどうかすらわからん。
ただもう、すごい。「すごいものがうつってるからすごい」という、映画を観る原始的な快感。当たり前でもある。なんで時間を割いて「市井の人の日常」なんかを有難がらなければいけないのか?
生身の人間なのに、究極の破壊紳。ターミーネーターもランボーもお呼びじゃない。いや、彼らには腕力や武力で負けるかも知れないけど、気合と殺気で勝つ!!
理詰めの人には「なんでこうなっちゃうの?」と、まったく理解できないと思う。
はねっかえりの族のひとりが言うことをきかなくて困るので、スーパー右翼(スーパーって付くのが、だっさくていい)に片手片足を切断されてしまい、殺人マシーンにカスタマイズした主人公が右翼と族上がりの警官たちに復讐するというシンプル極まりないストーリー。
大雑把過ぎる筋に対して、実は映画的な完成度(満足度)がメチャクチャ高いのだ。
それはもう「かったるいことは一切やんねーから!」と決めたかのようなカメラワークがそうだし、モッズが作ったというサントラを全部捨てて、泉谷とパンタの曲をぶっこんだ石井聰互監督の神がかり的な英断にもある。
イッちゃった目つきで仁さんがつぶやく「街中の奴らみんな、ぶっ殺してやる」。
これ以上カッコいい映画のセリフを他に知らない。
そして、見事に何ひとつ希望ってやつが描かれないのに、こんなにポジティブな気持ちにさせてくれる映画もない。
普通の言葉を使えば「奇跡の感動作」。全オレ(みたいな奴ら)が泣いた!

自分が世界一愛している映画である。
ちなみに世界一面白い映画がジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』で、世界一カッコいい映画が『女囚さそり/けもの部屋』で、世界一のコメディ映画が『悪魔のいけにえ』で、世界一のガーリー映画が『デス・プルーフ』で、世界一のアイドル映画が『太陽を盗んだ男』で、世界一のミュージカル映画が『爆裂都市』。
お粗末様でした。
というわけで時期も重なり、以前からやってみたかった『爆裂都市』と『狂い咲きサンダーロード』で使用された楽曲のみを回すDJというのをやるのであります。「狂い咲き~」オンリーだと、パンタと泉谷だけになっちゃいますので。「サ」のつくバンドのレアナンバーや、劇中歌の元ネタとかも回ります。
11月2日高円寺フォース・祝日前の水曜。詳細はこちら。
http://fourthfloor.sub.jp/
イベントタイトル『そんな身体でバイク乗れんのかよ?』は、闇ブローカーでシャブ中の小学生「ツッパリの小太郎さん(この役を子供にやらせたってのがすごい)」が映画のラストに放つセリフ。フリークの方は当然ご存知でしょうが。
自分の出番は21時半くらいでしょうか。どうだろう諸君!若い命を我々に預けてみないか!?(スーパー右翼・小林稔侍で)

あと、こちらのサイトにヂル会長が大フューチャーされています。
http://www.enjoytokyo.jp/solo/master/tatsujin12/640/
かわいーとかだけじゃなく、黒猫の持つ魔性の部分にも言及されております。とにかく、ヂルの表情が多彩。「ヂルは触って初めて良さがわかる」とは我ながら名言。




カルトムービー三題



まあしかし。あまりにも自分や店のことを書かない(書くほど面白いことがまったくない)ので、そろそろブログタイトルも変更しようかと思っておる次第。ちなみに最初期は「がんばれチヨジ日記」でした。
カルトと呼ばれる映画を三本観まして、そのうち二本はわざわざ中野ツタヤからレンタル。あそこは防犯キーが付いているので、セルフレジで知らずに帰ると悲しい結果になります。
まずはリベンジ・バイオレンスの古典として名高い『鮮血の美学』(72)。
ちょいヒッピーでフラワーな娘がならず者たちにレイプされ殺されてしまい、その犯人たちが知らずに彼女の両親の家に宿を乞う。彼らが娘を殺したことが発覚してしまい、両親が怒りの大殺戮を展開するというシンプルな話。
母ちゃんはコチンを食いちぎり、父ちゃんはチェーンソーで切り刻む。とはいえ、直接的なゴアシーンはない。
当時は衝撃的だったのだろうけど、今となってはかなりもっさり。
それでも何ともいえない変てこりんな気分になるのは、あきらかに「どうかしてる」編集というか構成。
娘を殺した犯人たちは汚れを川で落とすのだが、そこに妙にメロウなバラードが流れる。それ必要か?
のんきな警察官と鶏を運搬するおばさんとの妙に間延びしたコメディ的会話。それ必要か?
映画は陰惨なラストを迎える。そしてエンドロール。殺された主演の娘さんが楽しそうに笑っている。そこに流れる脳天気なカントリーソング。
さらに続く出演者たちの顔ぶれ。冷酷な殺人者たちも、彼らを殺さなければならなかった両親も、のんびり警察官たちも同じようなトーンでカントリーと共に流れていくので今までの悲惨な話は一体なんだったのか?というか、台無し感がすごい。そこだけなら普通に楽しい映画のエンディングなんである。
当時は劇場で観客が怒りまくったと聞くが、それはもしかして呆れるような「無邪気さ」というか「罪のなさ」に対してではないか。
制作と脚本の二人はそれぞれ、『エルム街の悪夢』と『13日の金曜日』の監督として大ヒットを飛ばす。



『悪魔の植物人間』(73年)は身体の動かない人がなんかする、というわけではない。
例によっておかしなおかしな科学者が「人間と何かを合体させたらいいもんができるのではないか?」とがんばる系の話で、今回はそれが食虫植物。
それにしてもマッドサイエンティストにゃでっかい夢がある!フランケンシュタイン博士も死神博士もハイター博士(ムカデ人間)もみんなそうだね!
冒頭を飾る「食虫植物の成長過程の早回し」が禍々しくも美しい。リアルな『遊星からの物体X』みたい。
監督は結構なキャリア組のジャック・カーディフ。

主人公は大学の講義をしながら、自分とこの学生を誘拐しては、植物との合体手術を繰り返しているノルター教授。失敗すると見世物小屋行き。教授には顔面奇形の手下(リンチ)がいて、彼が裏作業を担う。
実験が成功すれば「おまえさんの顔も治してやる」と約束されているからである。
実はこの映画の本当の主役はフリークスたちで、当時の本物の見世物スターたちが一堂に集う。
小人はもちろんヒゲ女、多毛症のサル女、ガイコツ女、脚にまったくカルシウムがない人、「飛び出す目玉」の黒人(この人マジですごい芸です。ドライアイになったりしないのかなってのが心配)、皮膚がガサガサに硬化しているワニ女など。
彼女は舞台で「私は魚鱗癬という病気で、髪の毛も生えません。でも、七人の子供の母親です」と、心温まるエピソードを語る。ということでわかるように、本作は彼らにちゃんと台詞を与え、健常者とまったく同じ「俳優」として扱っている。
芸人のひとりが誕生日なので、フリークスたちがそれを祝うパーティーを楽しんでいるシーンがある。
そこにリンチが現われるのだが、皆から「あなたも仲間じゃないの」「一緒に祝ってあげて」と言われて超ブチ切れ。場をメチャクチャにする。
リンチは他の者と違い、自分の運命を受け入れていないのだ。彼はその足で売春宿に向かい、高いチップを払い女に顔を見せて「愛してると言ってくれ」とせがむ。知られざる名シーンだ。
で、最後の最後に全身を現す植物人間。ウツボカズラとの合体生物で、なかなかグロくていいデザインだけど、「バロムワン」の怪人とかにこんなのいなかったか?という気がしなくもない。
そして我々「和の民」としては、ひょっとこを連想するいい顔なので、ちょっと親近感がわきます。



ひさびさに観た『バスケットケース』(82)。監督はドイツの巨匠(変態作家としてですが)、フランク・ヘネンロッター。
身体に奇形の兄を宿していた弟(けっこうイケメン)。彼らは分離手術で独立する。
兄は人間というにはあまりにもアレな肉の塊で、弟にはテレパシーで心を伝える。
弟は自分たちを離れ離れにした医者たちに復讐するために、バスケットケースに兄を入れて持ち歩いているのだ。
というか弟は心を完全に支配されているので、兄の怒りにつきあう形である。
「不思議ちゃんのバスケットケースには小動物が入っている」とはリリー・フランキー氏の説だが、本作のバスケットには奇形で凶悪な兄ちゃんが収納されている。
とにかく「おこりんぼ」かつ「かまってちゃん」。バスケットを開ける者は容赦なく傷つけ殺し、弟に彼女ができれば気に入らん!と殺害して「レイプのようなこと」までする(不覚にもここで爆笑)。
あまりにも短気なので、よく言われているような「フリークスの哀愁」は感じない。むしろ弟に同情します。
肉兄貴がものすごくちゃちいのはご愛嬌。しかし本作は創意工夫の映画なので、コマ撮りも駆使して兄貴の動きを見せるのだが、そこだけ画質が変わっちゃうのは微笑ましい。つまり「ハンドメイドってのは良いね」と言いたいわけです。
しかし分離手術を執刀した医者の一人が「獣医」ってのはすごくないか?




「カルト・ムービー」と呼ばれるものの多くは、普通の映画に比べて何かが欠けている。
それは「思いやり」とか「良心」だったりするのかも知れないけど、捨てたものがザックリしている分、ある意味で「豪快」である。
やましいのになんだか惹かれちゃうよねってことで、・・・ご同輩?(返事して!)。

地獄上等ダムドダムドダムド



『地獄に堕ちた野郎ども』鑑賞@新宿シネマート。
ザ・ダムドのドキュメンタリー。冒頭の『ニート・ニート・ニート』でいきなり上がる。
ブンブン唸るベースのイントロが強烈で、あまりベースソロが重要視されないパンクにおいて特筆すべきナンバー。
初期のライブにおける、ドラムセットはおろか、ステージにあるものは何でもぶん投げる大暴れ。
実はこの「クレイジーさ」というのが、当時のパンク・バンドにはあまりみられないセンスなのだ。
クラッシュは生真面目だし、弱っちいはずのジョニー・ロットンは真面目に目をひんむいて叫び虚勢を張ってみせた。
(本来はマイナス要素の「矯正し忘れた歯並び」や「猫背」などをカッコよさに転化させた、彼のマジックは永遠だ!)
ファースト『ダムド・ダムド・ダムド』はあれだけ騒がしい音なのに、マッチョさのかけらもない。
マッチョさ皆無という部分も重要で、どんどんマッチョ=ハードコア化していくパンクシーンとは確実に距離を置き、どこまでも洒落者。
彼らにとってパンクとはジョークでもあり、それはケーキでグチャグチャになったり、全員が紙袋を被って立っていたりの(なぜかそれが恐ろしく決まってる)ジャケット・センスにも現われる。
「抜けたりくっついたりを繰り返しつついまだに現役」という節操のないイメージもある彼らだが実は、ってのがこの映画のミソ。

金の問題や人間関係の不仲などでかつてのオリジナル・メンバーはデイブ・ヴァニアン&キャプテン・センシブルとブライアン・ジェイムス&ラット・スキャビーズの二手に別れている。
シビアだし、切ない。ああまたこれかと思う。パンクのドキュメンタリーは「切ない」のである。
ピストルズ、ジョー・ストラマー、ラモーンズ、ジョニー・サンダース、ニューヨーク・ドールズ、シェイン・マガウアン(ポーグス)、GGアリン、アナーキー、遠藤ミチロウに至るまで(しかし観倒してるな)同じ感触を感じるし、ランナウェイズ、ジャームス、ジョイ・ディヴィジョンの『コントロール』のような伝記映画も然り。
どこかに切なさ(刹那さ)を内包しているのがパンクであり、自分にとってそれはとても繊細なものだ。
特にそれを感じたメンバーがキャプテン・センシブルで、この人のガキっぽさとかイノセントさは一体なんなんだろう。
ゆえに暴言や安直な行動でバンドを混乱に導きがち。彼が実質上のリーダーなので、そりゃバンドもひっちゃかめっちゃかになるわな、とも思う。
ただもうメチャメチャいい顔をしている。かなりいい年だが赤いベレー、紅白のボーダー、忘れちゃいけないバードスーツの着こなしなど、本当にカッコいい。ステキに年を重ねるとはこういうこと。
口髭を蓄えたデイブ・ヴァニアンは「太ったヴィンセント・プライス」という感じ。あの体型で朗々と歌われたらそれはそれで認めるしかないでしょう。
彼は一度もズタボロのパンク・ファッションをしていたことがない。初期のベラ・ルゴシ風ドラキュラメイクはパンクの精神をジョークで表したものだと思うし、ビジュアル系として売り出していた頃は超絶美形。
茶目っ気が多いようだがやはりこの人はちょっと謎。
ラットとブライアンは女性ボーカルを立て、一緒にバンドをやっている。ライブシーンも少し流れたが「あっファーストのあの音だ!こっちのほうがむしろダムドじゃん!」と思ったくらい、再現率が高い。二人とも現役バリバリなのである。
でも、この四人が同じステージに立つjことは多分なさそうだ。若いもんがかなわないくらい、すごいライブができるはずなのに。
ラモーンズはみんな死んじまったが、ダムドは呪われながらも(金がない、評価されないとかブツブツ言いながら)全員生きている。減らず口が元気の証であり、どうしても衝突してしまう部分でもあるのだろう。

映画の最後に流れるのは『イグナイト』。中期の『ストロベリーズ』(ブタさんの頭にちょこんとイチゴを乗っけている。こういうセンスがダムド)の一曲目で、アルバム自体がそうなのだがパンキッシュでゴージャスで、なんともカテゴライズできないナンバー。
サビの「We’re gonna have some fun tonight」は彼らの精神性を表していると思う。
ファン・パンクはあまり好きじゃないのだけど、ダムドにはモンティ・パイソンに通じるような「シニカルなバカ騒ぎ」を感じる。
ファーストと『マシンガン・エチケット』ばかりじゃなくてポップスやプログレ風も取り込んだ『ザ・ブラック・アルバム』もちゃんと聴くべし。「こういうのもロックンロールだ」と、発見があるはず。
ヴァニアンが舵を取ったゴシック/ビジュアル時代にも好きな曲がある。
セカンドはもーちょっと、気が利いたジャケットであれば、もーちょっと評価されるのではないかと思う。
今の気分でベスト・オブ・ダムドはストロベリーズに収録の『ライフ・ゴーズ・オン』。
どうやらまだ人生は続くようなので、地獄はもう少し先の話。

監督は『極悪レミー』を撮ったウェス・オーショスキー。レミー・キルミスター氏は死んじゃったが、こっちも最高。この作品を観てレミーを好きにならない奴は信用できない。






秋のバーホーベンまつり



今年は妙に蒸し暑かったり雨が続いたりであまり秋っぽくないまま10月になりましたが、ようやく涼しくなった。
とはいえ現実逃避の映画鑑賞しかしていないので、別に天気なんかどうでもいいのだが。
ああ現実が辛いつらい。
ポール・バーホーベンにはまった。まとめて作品を観たら全部面白かった。「バ」で始まり「ン」で終わるキャラは「バカボン」「バットマン」「バラゴン(地底怪獣)」など、カッコいいものが多い。
そこに力入れますか?といった作風。『ロボコップ』は特に顕著で、ヒーローものだと思って借りるとあまりの残酷さにびっくりする。カクカクした「ロボコップものまね」が一人歩きしている気がしなくもないが、とんでもない映画なんだぞ。
『スターシップ・トゥルーパーズ』(97)も然り。「アクションSF」で間違いじゃないんだけど、蓋を開けてみれば全編血まみれ。
市民権欲しさに志願兵となった若者たちが巨大ムシ軍団(バグ)と戦争している未来社会。このバグたちが大変気色悪く、さすがにこれはちょっと、怖気立ちながら観てました。カマドウマ大嫌い。
若い兵隊たちがバグに虐殺されていく。SFの枠としてはそこまでやんなくてもというくらいのゴア描写。
実はかなり悪趣味な映画だが、面白いのである。たいへん面白い。ただし「戦争は嫌だなあ」と強く思う。しかも、わけのわからん虫なんかにぶち殺されるのは絶対嫌だ!
好戦ファシズム国家を皮肉ったラストも強烈な一撃。極端な形の反戦映画だったりして。



大ヒット『氷の微笑』(これだけ有名なのにノーパン足組みシーンしか知らない)の次に監督した作品が『ショーガール』(95)。
大コケ、評価はボロクソ、その年の最低映画賞(ラジー賞)まで受賞。という情報しか知らなかったのだが、面白いじゃないですか。一体どこがダメなんだろう?
ストリッパーど根性物語INラスベガス。おっぱい出しすぎ?せっかく付いてるんだから出せばいいじゃんか。ストリップが舞台なのにビーチクは隠せってか?
ストリッパーたちのダンスがカッコいい。これも込みでダメな作品というのならば、じゃあ一体何だったらいいの?という話ですよ。
基本的に少女漫画の世界。というより愛憎が交錯するのでレディコミか。
難解なだけでしょうもない作品も数多いのに、すがすがしいまでのベタさ。そして頻繁におっぱいが登場するので、段々何とも思わなくなってきます。
女を売っているはずのストリッパー(主人公)が根性者で、くだらん野郎どもをぶっとばして終わるのだから、フェミニズムに満ちた作品とも言えるのだが。
バーホーベン先生はラジー賞のステージに上がって、直々にトロフィーを受け取っている。
洒落者である。



さらに大コケ、低評価という『インビジブル』(2000)。なんでかなあ。面白いのになあ。
生物を透明にする研究をしているチーム。リーダーの科学者であるケヴィン・ベーコンは天才肌だが、傲慢ないけ好かないやつ。彼が自ら人体実験のモデルになる。
透明化していく過程が、皮膚が無くなり筋肉になり内蔵や血管が見えて徐々に消えてゆくというエグいもので、世界にどれくらい「透明人間映画」があるのか知らないけれど、本来地味なテーマをここまで悪趣味な見せ場を作り盛り上げたのは、やっぱり偉い。
そして透明になった者はエロいことをする、というのは古今東西の定石。さらにベーコンは性格までも加速度的に凶悪化する。
どうせ「モンスターの悲しみが描かれていない」とか何とか叩かれたのだろうが、そんなもんどうだっていいよ。
半分くらいは透明人間なので、天晴れなくらいケヴィン・ベーコンの無駄遣い。

次々に作品が大コケするので「ハリウッドなんかもういいよ」と、オランダに戻って撮った『ブラックブック』(2006)。
ナチス時代の話が大好物なんですが、これ最高です。サスペンス仕立てなのでネタバレしないように書くと、家族を殺された復讐のためにナチ将校・ムンツェのスパイとして潜り込んだユダヤ人女性・ラヘルの物語。
このムンツェが「とてもいい奴」で、彼に近づくためにラヘルが用意したのが切手
ムンツェは切手マニアなので「えっこんなの貰っていいの?」と喜ぶ。このさまは男ならわかっちゃうんだよなあ、という感じ。
彼の描き方がとにかく斬新であり、「ナチスと言えど集団なんだから、いい奴だっているに違いない」という発想。対照的に「いかにも悪いナチ」という風情の将校も登場するが、この人がピアノも歌も達者ってのが笑う。後半、ラヘルにはとんでもなく悪趣味な制裁が待っている。
もちろん上から目線はなく、さくさくとストーリーは進み、主演女優はちゃんと脱いでいる。

どうせおっさんとおばさんが揉める話だろうと思ってスルーしていたが、『氷の微笑』も観なければいけないなあ。

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プロフィール

HN:
すうさい堂主人
性別:
男性
職業:
古本すうさい堂
自己紹介:
自称「吉祥寺の盲腸」、すうさい堂のだらだらした日常の綴り。
本を読むという行為は隠微なこと、悪いことを覚えるためのモノ。

180-0004
武蔵野市吉祥寺本町1-28-3 
ジャルダン吉祥寺103

0422-22-1813

【営業時間】
月・木・金・土・日・祝日/13時~20時
【定休日】
火曜・水耀

東京都公安委員会許可304420105129号

メールはこちらまで suicidou@ybb.ne.jp

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