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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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ヘイルサタン!キングスマン!



遅ればせながらというか、完全にスルーしていたスパイ・アクション『キングスマン』(2014)を鑑賞。
もともとスパイ映画って、イケメンがモテたりしつつ颯爽と事件を解決するみたいないけ好かないイメージであり、派手っぽいけどあんまり人が死なないよな~という感じで、さほど興味があるジャンルではなかったのだが、これは来ました!だってスパイも狂ってるんだもん!!
無所属の諜報組織「キングスマン」。冒頭のテロリストとの対自シーンでさっそく一人のキングスマンが殉死してしまうのだが、生き残ったハリー(コリン・ファース)は彼の家族を尋ね、息子・エグジーに「困ったらいつでも電話してくれ」と、秘密の連絡方法を渡す。
時は流れ、エグジーの母親は素性のよろしくないおっさんと再婚し、彼自身もドロップアウトの道を歩んでいたが、ハリーはエグジーに素質を感じてキングスマンの候補生として誘う。
最終的に合格するのは一名。この試験がなかなか鬼畜なんである。厳しいジャッジが必要とはいえ、かなりイカれてる。
スパイ映画といえば悪役であり、本作ではサミュエル・L・ジャクソン演じるIT長者のリッチモンド・ヴァレンタイン(リッチでモンドでバレンタイン!なにこの響き!)。
彼は自分で選んだ社会的名士のみを契約して生き残らせ、他の人間はすべて滅亡させるという人類規模のテロを計画している。チャラいラッパーみたいな外見だがとんでもない奴なんである。
秘書は義足に刃物を仕込んだボディガードでもある「ガゼル」で、両足の刃で相手をバラバラにする。
監督は『キック・アス』のマシュー・ボーンなのだけど、ロリータ殺人マシーン「ヒット・ガール」をスクリーンに躍らせただけのことはあり、このお姉さん(ソフィア・ブテラ。覚えたぞ!)のアクションもキレキレである。
きれいなお姉さんが野郎どもをドカドカぶっ殺していく映画が、ぼかあ、好きだなあ。

ところでこのリッチモンドの計画、まるっきり荒唐無稽とも言えない。
劇中でヘイトスピーチを行う教会のシーンが出てくるが、あれはキリスト狂の「福音派」をモデルにしているのではないかと思った。聖書に書かれていることを一字一句信じるという極右派で、最終戦争が起こっても自分たちだけは助かるという共通認識があるらしい。なので本音は「早くおこんねーかなー、ハルマゲドン」ってところか(ジョージ・ブッシュがこの一派だという話であり、彼は核ミサイルのボタンが押せた)。
この協会に潜り込んだハリーだが、「黒人もユダヤ人も同性愛者もくたばれ!」といったスピーチを聞いているうちに気分が悪くなり席を立つ。
隣のおばさんにどうしたの?と尋ねられるとハリーは「これから中絶施設で働くユダヤ系黒人の彼氏とセックスするので失礼」と答える。模範解答ですね。
するとおばさんが「地獄で焼かれろ!悪魔め!」と絶叫。ていうかさあ、悪魔のほうがずっと寛大なんじゃないのか?
それが引き金になり、リッチモンドの仕掛けで脳波をいじられていたハリーは殺戮を開始。このシーンがもうキレッキレで、頭に突き立てて殺した奴のナイフをもう一回抜いて別の奴にブッ刺すという細かい芸もあったりして、ヘイト信者を皆殺し。ぶらぼう!!
終盤はスパイ映画の王道的に、ハリーの意思を継いでキングスマンとなったエグジーがリッチモンドのアジトに乗り込み、計画を壊滅させる。
つまり、テロに乗って生き残ろうとしていた連中が全員くたばるハメになったのでした。
ただし死に方がだいぶポップに表現されていたので、どうせR指定になるなら血まみれブシューでもよかったのでは?と思わないでもないのだった。
あっそうそう、これもR15なんですよ。いやいやいやこれは教育映画ですよ。ものすごく大事なことを教えているじゃないですか。
「クソみたいな神を信じるなら悪魔に身を委ねよ」ってことですよ(あれ、違うか?)。ヘイルサタン!


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タイタニックもイグアナゴジラも面白かったよ



どうも今まで重箱の隅をつつくような映画のセレクトをしてきたなあと、今さらながら反省中であり(入り口がトンガリキッズ時代の「宝島」だったのです、許して下さい)、ならばあの豪華客船が沈没する映画でも観てみるべと、蔦屋に向かったのである。
ところが、置いてある場所がわからない。場所を検索すると「ラブロマンス」なる聞き慣れない単語のコーナーに鎮座していた。三時間もあるのかあと思ったが乗りかけた船である(まあ、沈むんだが)。
三時間のうち船が沈むドタバタは一時間だけと聞いていたので、昔ならば三十分がイントロで一時間で沈没させて九十分で幕、というのが正しい映画だったんだぜとは思うがしかたがない、乗りかけた船である(まあ、沈むんだが)。
前半で基本的に何が描かれているかというと、一等室ででかいツラをしている金持ちたちの嫌らしさである。
主演のねーちゃん(ケイトなんとか)は自分の家柄存続と金のために好きでもない男と婚約しているので、周りのブルジョワたちの振る舞いにうんざりしている。
そこで出会ったのがフーテン画家のレオナルドデカ・プリオで、ケイトなんとかちゃんが船から飛び降りようとするのを止めてから急接近。
二人がキャッキャッするパートが若干鬱陶しいが、金持ちたちの嫌ったらしさが丁寧に描かれているので、案外楽しい。
「この船のプロデューサーみたいなおっさん」も乗っており、「乗客数はクリアしたからあとはスピードだ」とけしかけ、「美観を損ねる」ということで救命ボートを半分しか積まず、結果、氷山にぶつかって大変なことになる。
ちなみにこのおっさんや特にビップの金持ちたちはボートに乗って助かる。人生を感じる。
船内が浸水してからはドカドカぶっ壊れてゆく設備、エゴむき出しで逃げようとする人間たちと、立派なパニック映画になり(特にプリオと婚約者の対立がいい感じ)、船体がまっぷたつに割れ、垂直になった先端部分から人々がバラバラと墜落してゆく様はなかなか楽しい。
良心的なボートが一艘だけ戻り、救助を行うが救えたのはたった六人。1500人が死ぬ大事故になる。
減速するとかボートをちゃんと用意すればこんなことにはならなかったのにと思うと、実にまったくでっかいカチカチ山みたいな話である。
ラストはおばーちゃんになったねーちゃんが「あのときのふたりはどうたら」とか語り始めてうざいので、そこは流す方向で。などと書いてみたが世間的にはこの辺りで女性の方々が号泣という噂である。
うーむ、1500人の命をダシにしたラブロマンスとやらで流す涙はさぞ心地良いものだろう。
ちなみに自分が一番好きなシーンは、プリオが「唾を吐く練習だ、やってみ!」と、海に向かって「がーっ、ぺっ!」とねーちゃんにレクチャーし、それを会得した彼女が婚約者の顔に「がーっ、ぺっ!」と見事に命中させるとこです。

さて、いまだに崩れることのない低評価&「姿は知ってるけどみたことない」の声も多いローランド・エメリッヒ監督の『ゴジラ』(98)だが、自分も完全にスルーしていた。
ところがこれが観るとメチャメチャ面白い。2014年のハリウッドゴジラは生真面目すぎてどこか痛々しく感じていたのだが、エメゴジラはもうオリジナルに対するリスペクトが全然ない!エメリッヒ「俺ジナル」のゴジラなので完全にやりたい放題。
このゴジラは単体で妊娠し子供を産む。マジソンスクエアガーデンに卵を産み付け、そこから孵っていくベビーゴジラ。しかも食欲旺盛なので人間を襲う。直接的な描写はないけどモグモグと人間食ってる。
二百体の卵が孵るのでベビーゴジラがうじゃうじゃ、というホラー的なすごい風景。これは日本人の発想には絶対にない。しかしゴジラの血を採取して市販の検査薬で調べてみたら妊娠が発覚ってのはどうなんだ?と思ったがきっとギャグなのだろう。
ジャン・レノが運転するタクシーとゴジラのチェイス。これほど接近して人間を襲うゴジラは多分いなかっただろう。もちろんムチャぶりで逃げ切る。面白いから問題なし。
ゴジラは駄目押しのミサイル攻撃で殺されるのだが、その前にも数発食らっているので致し方ないか。ちょっとあっけないけど。
というか、ゴジラがゆっくり目を閉じて死んでゆく様は少し悲しい。ここまでゴジラの死に様をはっきり描いた作品もなかった。
だからそれはゴジラじゃないだろう、という声が多数だとは思うし確かにそうなのだ。が、てーことは「実はあれはゴジラじゃなかった」ということにすれば丸く収まったんじゃないか、と。
あのでかいイグアナがゴジラと命名されたのは、襲われて瀕死のおっさんが「ご・・・ごじら・・・」と呟いたことだけが根拠なんである。
「あのおっさん、間違いじゃね?」「伝説で聞いたのと違くね?」ってことに気付けば、この作品のタイトルはゴジラだけど出てきた怪獣はゴジラじゃありませんでした!と、ひねったオチになったのだ。
自分が脚本スタッフに参加していなかったことが非常に悔やまれる。
登場人物のキャラも明確で、人間ドラマとゴジラパートのバランスもよく、「いかにもありがちな」ラストも含め、大変素晴らしいモンスター・ムービーである。マグロ食ったっていいじゃないか。
断固支持。必見。

とか書いてたら、フェイバリットである「SUICIDE」のアラン・ヴェガの訃報が。
78歳の大往生で自殺じゃないらしい。お疲れ様です。
セカンドもちゃんと評価されるようにお祈りします。


デッドプールとシリアルキラー



話題作の『デッドプール』を鑑賞しに新宿TOHOシネマに行ったのですけれども、チケットを買った時点でほぼ満席でビビる。だいたい自分はガラガラの劇場の端っこで観るのが好きなのだ(コミュ障なんで)。
何とか端っこを取れたのだがビビッていたのでアイスコーヒーのMを買おうとして間違ってLと言ってしまったらなんだか巨大なものが出てきましてしかもストローを刺す口がふたつあってあーなるほどねーと思いめんどくさくなってほぼ口をつけずに放置。しかもレディースデイだったので女性が多い。
と、ビビリまくりで始まったのですが本編は面白い。「デッド」や「デス」がついてるものにハズレなし。デスレース2000とか、デス・プルーフとか、ブレインデッドとか、デッド・ケネディーズとか!
アメコミ原作だが、本人が言ってるとおり「俺ちゃん、スーパーだけどヒーローじゃねえし」。
こいつの一人称を俺ちゃんと訳した人は天才。

ウェイドは肉体と暴力を使って問題を解決する仕事の人だったのだが、ある日出合ったコールガール・ヴァネッサと結婚。直後、全身を末期ガンに犯されていることが発覚。すると現われた怪しい男、自分が所属しているところで治療できるという。が、そこは怪しい血清を注射して拷問することにより力を目覚めさせ、スーパーな奴隷を作る研究所だった。ウェルドの体にも変化が起こりガン細胞は死んだが、全身ヤケドのような赤くただれた姿になってしまう。その研究所をどうにか逃走し、デッドプールとして組織に復讐する。
といった骨組みはサム・ライミの『ダークマン』に似ているのだが(あまり人気も知名度もない。なぜだ)、こちらは暴走気味にふざけている。
冒頭のタクシードライバーとの会話からしてアホらしいし、直後に敵とのバトルが始まるんだけど、実に頭をカラッポにして大量虐殺を楽しめる。
思えば「仮面ライダー」も似たようなプロットで、やっぱりショッカー戦闘員はボコボコやっつけられていたよなあ、などと思い出したりする。
ヒーローのユニオン・X-MENに入れと言われても「やだ」と拒否し、観客に向かってべらべら喋り、「ワム!」が大好きってのも気取ってなくてイイ。

先日は銀座のヴァニラ画廊にて「シリアルキラー展」を鑑賞。
平日の開場直後にもかかわらず大盛況。みんな、殺人鬼が好きなんだね。
飛び抜けて達者な人も何人かいるが、基本的には究極のヘタウマ展覧会である。
特にチャールズ・マンソンの作品、なんじゃあれは。単なるゴミじゃねーか。少なくともアート分野における才能はゼロなんだから、あまり崇め立てないことだな。
メインはジョン・ウェイン・ゲーシーか。死刑になるまで最も多くの絵画販売を行った(その数4000枚)。地元の名士であり、ピエロに扮してチャリティ活動にも参加。裏側では子供を33人も虐待して殺した。
ピエロが中心で、大きさやポップな色彩が目をひく。ヘタですが。
特にエルヴィス・プレスリーを描いたものがひどい。ひどすぎる。エビスさん以下。
本物の狂気とやらに触れられるのかも?という期待で出かけたのだが、結局のところ「正常」と判断され服役した人たちである。行為そのものは異常だが、アート云々というレベルにははるか遠い、しょぼいお絵かき教室といった趣であった。付加価値だけの展覧会。ただ、自らの殺害現場を描いたらしいラフなスケッチ画にはちょっと「うひぃ」となりました。
このような世界に興味を持つということに対し、パンフレットの文章がうまいこと弁護しているので引用。

『言葉は悪いが、同じ民族ではない異邦の殺人鬼たちは映画に登場する怪物を見ているようで、日本での身の回りの事件と違いリアリティーを感じることがなかったためか、嫌悪感は薄いものだった。』


R指定だヨ!ジャッジ・ドレッド!



DVDを選ぶ際に「R指定からさがす」という裏技があって(多分やってるのは自分くらいです)、それで出会ったのが2012年版の『ジャッジ・ドレッド』。シルベスターすた丼が主演作のリメイク。
アメコミ・ヒーロー映画なのにR15指定。ヒーローものは家族連れで来るから客単価が増えるわけで、本来ならおいしいはずなのだがR15。それでも「良し」とした出資者はなかなかの太っ腹。
「キック・アス」もR15で、しかし今考えてみるとあれはそんなにまずいのかなあ、そんなに子供が残酷表現に触れてはいけないものなんだろうか、ネットにはホンモノがゴロゴロしてるのになあなどと思ったが、本作はさすがにヤバいというか、血・血・血・血まみれバイオレンス描写の連続。
人口過密と犯罪が溢れる近未来。「ジャッジ」と呼ばれる法の番人チームがあり、彼らは警官であり裁判官であり刑の執行人でもある。
それいいのか?ともちょっと思うが、牛丼的には「安いうまい早い」という感じである。
凶悪犯罪者を見つけると「あ、悪い奴みっけ。悪いから死刑」と、一応お役所に連絡を入れたのち、その場でぶっ殺していく。それでも絶対数が多すぎるので減らない犯罪。
主人公は最も優秀なジャッジの「ドレッド」なのだが、彼は最後までヘルメットを脱がないので、主演男優なのに顔が最後までわからない。てことは観客も感情移入がし辛く、つまりあんまりジャスティス感がないのである。

ジャッジの研修員として相手の心が読める超能力を持つかわいこちゃん(カサンドラ)が、ドレッドとチームを組まされる。
ギャングたちが身体の皮膚を剥がされ高層マンションから突き落とされるという事件がおき、二人はその容疑者を連行するが、彼のボスは現場のマンション「ピーチ・ツリー」をアジトとする女マフィアの「ママ」で、最近蔓延しているドラッグ「スローモー」(時間の経過がスローに感じられる)の密売元。
それを白状されてはかなわんので(ジャッジの取調べはとても残酷だそうな)、マンションを閉鎖して子分を取り返し、ドレッドとカサンドラを殺そうとする。
要はそれだけのシンプルな話なのだが、カサンドラが敵の心に入り込んで超へこませたり、報酬目当ての仲間のジャッジが襲ってきたり、口頭によって使用法が変わる銃(「不発弾」と命じると実際そうなって相手が撃った瞬間に手首から先がバヒョッ!)が登場したりと、充実した仕掛け。
ドカーンとバキューンとかブシャーッとかを楽しむ映画である。
あと、ピーチ・ツリーのはしっこで座り込んでいるホームレスに「そこにいると法律違反だから移動しろ」とドレッドが指導したが「はい」などと答えてそのまま居座っていた彼の上に、物凄い勢いでシャッターが降りてグシャッ!っと潰されるシーンには笑った。だってギャグでしょ?
白眉は、スローモーを吸わされたまま二百階から突き落とされるママ(やったのはドレッド)。
意識が延長された状態なのでゆっくりゆっくり下降してゆき、頭から地面についたときにバシャッ!と自らの血をぶちまけてみせる。観客にはスローモーションでこの映像を体験させ、ママの意識と同化させるというきわどい演出だ。

こういう作品について「暴力では何も解決しないと思う」などと言う人が必ずいるんだが。
めんどくせえなあ。暴力で解決するんだよ!映画だから!!
反目していた親子が理解しあって抱き合うより、人体がバラバラになるのをみてるほうが楽しいに決まっておる!
お涙頂戴ならタダで転がってるが、エログロやバイオレンスはサーチが必要なのだ。
SEARCH&DESTROY!







いいね!キアヌ・リーヴス



角川シネマ新宿にて『ノック・ノック』鑑賞。
最近は完全に映画ブログと化しているが、再三ですが作業日誌とか、お客様とのふれあいとか(ないし)、店主の日常とか(面白いことなんかないですし)書いてもしょうがないんで。それよりも2000年前後からあまり封切り作品を観なくなり、ああもったいなかったなと、今まで何やってたんだと反省。
なんかもう、ヤバいのがゴロゴロしていたのに。実はそれほど注目してなかったホラー系には特に「うーむ!」と思うものがあり、それに気付かせてくれたのが『ムカデ人間』シリーズだったりする。
異端児的な作品の役割は案外、こういうことかもしれない。例えば『ピンク・フラミンゴ』が存在しない映画史ってのも、ちょっと寂しい気がしませんか。

イーライ・ロスはやっぱりすごい。過激さとエンタメのバランスが絶妙な、現代最高のホラー作家である。
『ノック・ノック』はそれまでのような直接的残酷シーンが売りではないけれど、主演のキアヌ・リーヴスがたまたま招き入れた女子二人によって、人格をメッチャクチャにぶっ壊されるという作品。精神面を殺しにかかってくるホラー、といいたいところだが、やはり例によってブラックなコメディ。
キアヌは建築家で元DJ、嫁さん美人の芸術家、かわいい盛りの子供ふたりというパーフェクトに幸せなパパ。
家族が旅行中で自分ひとりが自宅で仕事というシチュエーションの中、雨でずぶ濡れのエロい女子ふたりを親切心で招き入れるが、予想通り誘惑されて3P。
翌日から女子チームの態度が豹変。実にワイルドに暴れ回り、一旦は出て行かせるものの住所を覚えられていたのでリターンされ、さあ大変。
キアヌほどのスターがなぜこのような悪趣味映画に出演したのか?と思ったのだが、本人は結構シャレがわかる人だったようで。
「エロティック・スリラー」とかで括られれば聞こえはいいけど、後半ずーっと縛られたり泣き喚いたり生き埋めにされたり。本当にいいとこがひとつもない。
が、本人はかなり楽しんで演じていたらしい様子。
この作品、キアヌ側の目線だとおぞましいのだが(腹立たしいという人もいるかも)、自分は完全に「もっとやれ。いひひひひ」と女子チームに感情移入していました。メンタルが女子なんで。
金髪美人と黒髪美人が登場するのだけど、黒髪さんは『グリーン・インフェルノ』で主演を果たした、イーライ・ロスの嫁さん。今回も大変な役を宛がわれておられるが、最強のおもろい夫婦(タッグ)ではなかろうか。伊丹十三と宮本信子を連想させる。
そして本作はSNSの恐怖も描いている。劇中の「いいね!」の使い方にはいまだに顔がほころんでしまいます(劇場では声を殺して爆笑)。
なんにしても、完璧なイケメンパパが闖入者の女子によって人格も家庭も破壊されるというのストーリーは、夢があっていいですね。
鑑賞後、とてもハッピーな気分で帰路に着いたのです。

完璧な生活などは存在せず、薄い氷の上で成り立っているようなものだということを強烈に訴えてくる、あまりにも「正しい」作品。

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すうさい堂主人
性別:
男性
職業:
古本すうさい堂
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