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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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夏だ!もうどくだ!ピラニアだ!



先日は池袋サンシャインシティの『毒毒毒毒毒毒毒毒毒・痛』というイベントに行って参りまして、これは「もうどく展2」と読む。
クラゲ、ムカデ、ヤスデ、カニ、カエル、カメ、ハゼ、エイ、スカンク(おねむ中)など様々な毒を持つ生きものが展示されていて、特に嫌だったのが二センチくらいある「パルポネラ」なるアリ。こんなのに群がられて食われるならいっそのこと殺してくれーと言ってしまうなあなどと妄想する。「ギー」とか鳴くらしい。嫌な虫もいたものである。黒に白玉のエイ、「ポルカドットスティングレイ」はカッコいいと思う。さくっと見られるので「ぼっち」でもおすすめです。
ところでこうした毒性の生物はクリエイティブ中枢を刺激することも多く、「こんなのに襲われたら嫌だなあ(でもきっと面白いよなあ)」と、様々なパニック作品が創作される。「金魚インスパイア」とかって、あまり聞かない。
ショッカーの初期怪人なんかもクモ、コウモリ、カマキリ、ハチ、コブラ、サソリ、ヤモリ、食虫植物など禍々しい生物をネタにデザインされており、シンプルな造形は今見てもイケてる。サイコビリーなテイストもめっちゃ高い。
(上野でやってる「深海展」も行きたいなあ。深海魚ファンなので。デメニギスとかカッコいいし)
本物のサソリが入っているキーホルダーがかわいかったので買って帰りました。
http://www.sunshinecity.co.jp/campaign/cp/moudoku2/


さて夏だ。夏といえば人間がお魚にモグモグ食べられる映画が観たくなるのが人情ということで、『ピラニア』(2010)鑑賞。監督はホラーリメイク名人のアレクサンドル・アジャ(なぜかたいへんイケメン)。公開時のタイトルは『ピラニア3D』で、千切れたちんこやおねえさんのおっぱいが目の前に迫ってきていたと記憶する。
ホラーファンはもちろん、「バカ映画ファン」からも大絶賛で迎えられた名作。
湖×春休み×大学生。マッチョもボインも水着でテクノを大音響で鳴らし大騒ぎ。調子こいた連中は「濡れTシャツコンテスト」で盛り上がる(放水するのがイーライ・ロス!ツボった!)。はっきり言ってバカしかいません。
こいつらを太古から生き続けていた凶悪なピラニア先輩たちが「ごち!」と、パクパクする素晴らしい作品。
もちろん大パニックが巻き起こるが、ピラニア先輩にとって彼らは「やきそばパン」とかと一緒なのだ。
ヨットが転倒して乗っているギャルやガイズが落ちて、勝手に「九州ラーメンの替え玉」状態として放り投げられる。しかも「全部乗せ」である。そりゃ食うよ、って話である。
モーターボートのスクリューに髪をからませた女性を(非道なことに)そのままに発進すると、髪と一緒に顔面の皮膚がずるむけるというシーンがあるのですが、「一皮むけばみんな同じなのだろうなあ。人間だもの」と相田みつを的な感想が思わず漏れます。
とにかく「俺たちただいま青春絶好調!人生超絶たのしー!!」とはしゃぎまくっていた連中が次の瞬間には単なる魚のエサ。最高である。ここには「ハッピーな奴らは全員死ね」という真摯なメッセージがある。
我々は普段、魚をおいしくいただいているので、たまには立場が逆転することもあるよねーということも本作で確認したい。
下半身をズタボロに食われて瀕死のエロビデオ監督。彼の今際の言葉が、「濡れTシャツ・・・・・」。
バカもここまで来るとたいへん立派なので、爆笑を通り越して感涙を禁じ得なかったりする。
さかなクン・パニック映画としては『ジョーズ』が金字塔なのだろうけど、今となっては血と乳とチープ・スリルにまみれた(「ち」でまとめてみました)『ピラニア』に軍配を上げたい。

ところで本作は、冒頭でピラニアの犠牲になる釣り氏が『ジョーズ』でシャークハンターを演じたリチャード・ドレイファスだし(カッコよかったよね!)、ピラニア発生の謎を究明する熱帯魚屋が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の「ドク」でお馴染みクリストファー・ロイドだし(あ、「どく」でつながりました)、主役級の男子がスティーブ・マックイーンの孫だったりして、無駄に豪華、とか言っちゃいかんのか、とにかく、「魂のバカ映画」である。なにもいわずに喰われろ、夏!


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ぱんちーすとっきんぐのやうなそら



カンパニー松尾、末井昭、高橋源一郎といった面々が絶賛コメントを寄せた帯、刊行は太田出版、しかもタイトルは三上寛の曲からのインスパイアということで読んでみた「うめざわしゅん作品集成/パンティストッキングのような空の下』。
学校内で様々なカオスが同時進行し、それがピークに達すると校舎が倒壊する『学級崩壊』、透明人間の渡辺くんに恋する少女『渡辺くんのいる風景』、人工都市「シブーヤ」に住み続け、「ジョシコーセ」の幻影を求める老人『未来世紀シブーヤ』などは初期の大友克弘っぽいテイストでいい感じ。まず純粋に「いい短編漫画」であるということ。
ところが「はずれ者が物申す」のがメインの作品になってくると様子が違ってくる。もう大ッ嫌いなカリブマ・レイ原作の一連のアレに近くなってくるのが非常に残念。
マイノリティがマジョリティに対して翻す反旗はそりゃカッコいいかも知らんが、マジョリティの描き方が類型的過ぎる。カッコ悪いマジョリティに対してカッコいいマイノリティが叩きつけるメッセージなんて、カッコよくて当たり前。逆に『カイジ』は悪の側(支配者)の論理に一本筋が通っていたからこそ、説得力があった。
あとちょっと、つまんないセリフに尺を取りすぎ。少々長いが引用すると、

【自由だとか癒しだとか自分らしさだとか平等だとか
障害は個性だとか人権だとか
若者には無限の可能性があるだとか
芸能人でいうと誰に似てるだとか
先行きの見えない不況が原因だとか
平和で明るい差別のない社会だとか

そーゆーのに逆らったらつまはじきにされるんだな・・・

そーか・・・ 幸福な人生に必要なのは服従だ】
(パンティストッキングのような空)

ははっ、マジョリティを切り捨てたつもりが結局何も言ってない。(ちなみにこのセリフを吐くのは高校生)。
ところで訂正したい。幸福な人生に必要なのは「迎合」だと思う。前記のような文脈に右へ習えするのは「迎合」であり、そんなもん別に屈辱でもなんでもない。
「服従」に対して抗うみたいな?そんなに大したことじゃないよ。きれいごとに対してアンチを言いたいのはわかるけど、わざわざ一ページを費やしてやることでもないと思う。

かつて事件を起こしたロリコン青年「洋一」が人生にうんざりしているところに、幼馴染の女子「ルイ」と再会。
天真爛漫なのに物事の深いところをえぐるような言葉を「さらっと」吐くルイに洋一は心を開いていくという『唯一者たち』。
この作品は大嫌いですね。なぜならもう「ええかっこしい」の度が過ぎるから。

【とにかく!私の人生超すばらしいよ!
でも・・・
生まれてこないで済んだならそれが一番よかったな
誰だってそうじゃない?
みんな自分だけが自分なんだから】

と、ルナちゃんが洋一に向かって語るのだが、最後の「誰だって~」以降は意味わからんし、
まず!かわいく生まれたリア充女子がそんなこと思ってるわけない!!嘘っぱちです!!!!
すべての「別に生まれてきたくもなかった」と思ってる人間に謝れ!と言いたい。
作者の意図ももうひとつわからないってのもあるけど、これも見開き二ページ使ってやることかなあ。
あと、幼馴染女子を呼び捨てにできる主人公は結構ステージが高いと思う。それ以下の人々はいくらでもいる。

この作品集の中で一番好きなのは『朝まだき』。
ゴミ収集業の青年が主人公。一見はずれ者っぽいけど、ちゃんと職をもった一市民。
彼のなんともパッとしない日常が描かれるが、「とりあえずこれでやっていくしかねえ」と人生を放棄しない人間が吐く言葉は一番リアルに響く。
きわどい言葉もあるけどそのまま引用。


【俺が一番怖いのは金が無くなることだ
幸福は金で買えなくても不幸は金で避けられる】

【きっと人が一人でいられるんなら何の問題もないんだろう
悪いのは欲望だ チンコとマンコだ】

【①新しい朝が来た
②希望の朝だ

この場合本当なのは①だけで
②は根も葉もない真っ赤な嘘

朝は無限にやって来る
それだけが絶望的に本当だ】





同感。

屈折する星くず、実況版



アンノウン・シアター@高円寺で『ジギー・スターダスト・ライブ』(73)鑑賞。初見。
まずはデヴィッド・ボウイの「顔」である。当時は体型も本当にほっそいが、顔の輪郭もほっそい。
さらに左右の色が違う眼、ちょっとバンパイアのような口元など、メイクせずとも「素で」どことなくフリーキー(もちろんイケメンということは前提)。
そこに髪をオレンジに染め、眉毛を剃り落としてキャラを作りこんでいるものだから、日本人としては北関東のヤンキーに見えなくもないのだけど、「ギンギラのグリッター衣装を着ればグラムでしょ?」と時流に乗った人々とは根本的に違う。
爬虫類や植物や昆虫など、毒を持った生物は見かけもド派手だったりするが、当時のボウイもそんなお仲間。
さらに山本寛斎デザインによる衣装。「一周してカッコいい」という言葉があるけど、このセンスはまだ半周もしていないんじゃないか。先取り感覚がスキップし過ぎて2017年でもまだ追いついていない。宇宙旅行すら無理なんだから、そりゃそーか。
どうも既視感があると思ったらボウイって、我々世代には特撮番組で見慣れた「悪い宇宙人」のイメージなのだった。
しかもその「悪い宇宙人」を少女たちが最高にセクシーだと崇め、ライブではトリップしているかのように演奏に陶酔している。当時の親たちの眉をひそめさせたナンバーワンだな、コレは。
『スターマン』に「キッズたちを熱狂させよう」「キッズたちにブギーさせよう」という歌詞があるが、まったくそのままの世界観。後にパンクバンドを始める、70年代の不良たちのアイドルだったというのも納得。

『ジギー・スターダスト』から演奏されたのは5曲。バンドのラストライブということでトータル的に選曲されたようだ。特に『あの男を注意しろ』『気のふれた男優』『夜をぶっとばせ』『時間』といった、『アラジン・セイン』からの選曲がいい感じ。
今回は歌詞つき上映。中でも「司令塔が故郷へ帰る途中の宇宙飛行士とずっと連絡を取り続けていたが、最後には回線が切れてしまう」という内容の『スペース・オディティ』にはちょうグッときた。
ボウイとギターのミック・ロンソンが花形すぎて他のメンバーはほとんど映ってないというちょっとかわいそうな編集ではあるけれど、「取替えのきかない」ロックンロール・ショウは盛り上がり、ラストを飾るのは『ロックンロールの自殺者』。
今さらながらすうさい堂、この曲のキメんとこ、「You're rock'n roll suicide」がカッコいいと思って、だじゃれにしたらカッコよくね?と思って、屋号にしてしまったのがすべての間違いなのだった。

編集盤含め膨大なタイトルのデヴィッド・ボウイのアルバム。どれか一枚というと迷わず『THE BEST OF DAVID BOWIE 1969/1974」を推薦。『ジーン・ジニー』に始まり『すべての若き野郎ども』で幕。さらにムード歌謡化が進んだ『プリティエスト・スター』のシングル・バージョン収録が嬉しい。
ファーストを外したのも、グラム期に絞ったのも正解。この人の音楽は多彩過ぎてトータル・ベストだとまとまりがない(さらに追いかけたい人には年代で区切ったベストがあと二枚出てます)。
とか言いつつも『レッツ・ダンス』以降は全然知らなかったりして。「れっ・だんす」で知ったボウイ様であったが、この辺はまあ・・・見事に時代と寝た感じでございますな。
これで『クイーン・ビッチ』が収録されていれば完璧だった。
ベスト盤ってのはあれが入ってないじゃんと、ちょっと舌打ちしたくなる「欠陥盤」のことなんだよなと、いつも思う。


↑コレです。






「悪魔のいけにえ」は2も最高



毎回ためになることを書いているつもりなのだけど、今回は「やわらか頭は大事」ということについて。
テキストは『悪魔のいけにえ2』(86)。また本じゃないっていう。
昔からこの作品は賛否両論あって、「オリジナルの恐ろしさがない」「ふざけすぎ」という声が多い。
自分は実は初見が「2」で、これは封切りで鑑賞。オリジナルはかなり後になってビデオで観た。
確かに「同じことをやってるのにオリジナルはちゃんと恐ろしい!」とは思ったのだが、「2」のクレイジーっぷりも最高なんである。久々に見直したら「やっぱいいな!」、と。これは誰かがちゃんと伝えないとな、ということで。

「1」はごく普通の若者が惨殺されるということが恐ろしかったのだが、「2」はいきなりバカ二人が車で暴走している。一人は東京タワーで売ってるようなアホアホサングラスをかけ、ピストルを乱射している。
おわかりのように「このバカたちがこれからぶっ殺されますよ~」という演出なんである。
「1」では規制を免れるために血が出るような残酷描写は「信じられないことに」ほとんどなかったのだが(それでもレートを下げることは無理だったようだ)、今回は開き直って血まみれ残酷描写が大爆発。手腕を振るうのは信用できる男、トム・サヴィーニ。冒頭でドライバーが頭半分をぶった切られる。もちろん凶器は「自動のこぎり」だ!

今回はレザーフェイスの役者も代替わりしていて、かなり「お茶目」。主役のラジオDJ女子に一目惚れして、一度は助けてあげちゃう。ほぼ人格が与えられなかった(ゆえに恐ろしかった)「1」とはかなりテイストが違う。チェーンソーを振りかざすたびに腰を振るので、おぞましくもかわいらしい。
ちなみによく聴くとわかるのだが、「ババ」と呼ばれている。
そしてこの殺人一家にも「ソーヤー」というファミリーネームが付けられた。
本作で特に人気が高いのがデニス・ホッパー。彼は「悪人か狂人しかやらない」という信用できる男。
今回は「前作で殺された甥(車椅子の性格悪い奴)の復讐に燃える保安官」という役どころ。
「復讐用のチェーンソー」を購入するシーンからしてテンションMAX!店の親父も「こりゃ頼もしいね」とちょっと笑っちゃってる。ソーヤー家に侵入するなり柱を斬りまくって気持ちよくなってるし、一家の前に「歌をうたいながら」登場するところがバカバカしくて最高。
個人的にはホッパー以上に重要だと思っているのが「チョップトップ」で、「1」のレザーフェイスの兄「通称ヒッチハイカー」の代わりに登場。交通事故で頭をボコって、頭蓋骨に銀のプレートを埋め込んでいる。
しかもむき出しになったプレート周辺の肉を、ワイヤーでこそげ落としてうまそうに食うのである。
完全なキチガイだが、本作ではMCとしてもいい感じの仕事をする。ビル・モーズリーという人が演じていて、彼は『デビルズ・リジェクト』でも殺人家族の長男を好演。信用できる。
ソーヤー家の父親(ソーヤーとうさん)だけはジム・シードーなる同じ俳優が引き継いでいる。このおっさんは他の作品ではみたことがない。信用できる。

『悪いけ』といえば晩餐シーン。「1」は本当に女優を追い詰めているような演出が壮絶で、叫び声と共に「瞳孔が開いた眼のアップを映し続けるシーン」はトラウマになったりしたが、さすがに「2」はそこまでの凄惨さはない。
が、あのミイラじいさんはまだ生きていて、というか前よりお肌がツヤツヤしている。
で、じいさんが金槌片手にニヤけるシーンのアップがあるのだが、この顔が「漫★画太郎先生が描くジジイ」にそっくりなのであります。これは是非ご確認されたい(どうでもいいですか)。
クライマックスはレザーフェイスとホッパー保安官によるチェーンソーのチャンバラ対決!これはオリジナルにはないもので、のこぎりがレザーフェイスの体を貫きつつ、ちゃんと回転している!
声を大にして言いたい。レーザーガンとかCGでドカーンとかじゃなくて、魂溢れるガチな名場面を映画はもっと作るべきだ!

ラスト、逃げ切ったヒロインは超ホットパンツでチェーンソーを掲げ、勝利?のダンス?を踊る。
頭上には旗が翻っている。アメリカ国旗かと思ったがどうも違うみたいで、なんだ?バカの旗か?
監督のトビー・フーパーが「観客に笑ってもらえるまで十年かかった」と言っているので、元々がブラック・コメディのテイストを持ち合わせているのが『悪魔のいけにえ』なのだ。それは「2」の、ソーヤーとうさんのセリフをちゃんと追っていてもわかる(ギャグしか言ってないです)。
そもそもホラーとパロディは相性がいいのに、「2」を否定する人は本家のブラックユーモアもいまいち理解できないんじゃいの?ということで、ホラーファンと限定してもあまり魅力的ではない。
やわらか頭でいたいものです。


バカすぎてさわやか



「危ないことをやってるのはスタントマンかバカです」
冒頭で繰り返される字幕。何の話かというとアメリカのバカ・パフォーマンス集団『ジャッカス』のこと。
で、彼らはスタントマンではないので「バカ」。むしろプロ・スタントマンはいくらギャラを積まれてもやらないようなバカなことをやる。
MTVのコーナーとして人気になり、制作された映画版『ジャッカス・ザ・ムービー』(2002、2006)の二作を今さらながら観てみた。
ジャッカスのネタはおよそ①身体をはったもの②動物もの③スカトロもの④内輪ドッキリもの⑤変装もの、の五つに分けられる。一番多いのは①で、当然ながら一番キツいのが③で、一番市井の人に迷惑をかけているのが⑤である。
一作目はいきなりカー・クラッシュ。しかもレンタカーで借りた車をメチャクチャにする。車どうしでぶつけ合いフロントに突っ込んでいったりするので、まるでガチの事故現場。ドライバーは「マジで死ぬかと思った」とニヤニヤ。
この人たちがナゼ五体満足でいられるのか。それは彼らの身体能力がとんでもなく抜群だからである(プロのスケートボーダーも二名いる)。
ゴム弾とはいえ本物のショットガンで撃たれるとか、本物のボクサーとガチで試合をするとか(しかも場所はスーパーで、・・・脳震盪を起こして病院行き)、めちゃめちゃ危険なことをやっているのに、ネタはさらに過激にエスカレート。それはつまり恐らく、何も考えてないから。メンバーに受ければ、やることに決定。問題はそれを「誰がやるか」ってことだけ。
抜群の身体能力と何も考えていない脳みその化学反応が、ジャッカスなのだ。

自らが餌になってサメに接近する。その際、頬には「釣り針」を突き刺す。別に必然性はない。
ただ「絵的に面白くない?」ってことだけで、痛みも根性で耐える。実際、スレスレでサメに噛まれそうになるし、あれだけ接近できればちゃんとした海洋ドキュメンタリーも撮れそうな気もするのだが、そんな真面目なものを作るつもりはまったくないらしい。なぜなら「ギャグじゃない」から。
このネタをやったスティーヴォーって兄ちゃんが自分は特に好きで、彼は背中に「オレ最高」とサムアップした自分の姿をでかでかと入れている。本人は「世界一バカなタトゥー」と言っているけれど、これはすごくいいなと思う。当人は年をとっても「若くてものすごくバカだった自分」が、ずっとそこにいるからだ。
とにかくメンバーたちは笑う。仲間がひどい目にあっているのを見てげらげら笑う。
それは当然いじめではない。自分の番が回ってくるのを承知の上で、笑っているのである。「オレもあんだけやったわけだし、なっ?」ってこと。
やってることはどうしようもないのに、メンバーがピュアなので(バカとも言う)全然憎めない。
ジャッカスには普通の人よりもかなり背丈の足りないメンバーもいる。が、分け隔てなく彼もムチャなことをやらさせる。バリアフリーとはこのことだと思う(ま、この人も筋肉ムキムキなんだけど)。
最高にバカバカしくも恐ろしかったのは、コンドームに入れたミニカーを黄門様に挿入するというもので、そのまま病院に行く。つまり「アナルinミニカー」のレントゲン写真を撮るのが目的で、たしかに「その物体」の影が写っている。
下手すりゃ開腹手術をしなきゃいけないかも知れないところを、彼は「自力で」ひり出してたね。
ウンネタも多いジャッカスだが、メンバーたちは運も強い。
「爺さんに変装して店で万引き」とかの一般人を巻き込むネタは大変迷惑だし、やられたほうも激怒しているのだけど、それを見て世界中の人が笑っているという比率を考えれば、まあまあ良しとしませんか?

今日の文章は、人によっては血の気が引いたり気分を害することもあるだろうなーということでもうやめますが(散々書いちゃいました。えへ)、二作目のエンディング。これが重要。
なんとミュージカル仕立て。メンバーたちが「精一杯生きて人を愛そう」と歌う。
普通なら陳腐としか感じない歌詞だけど、彼らは本当にそう思ってるんじゃないかと思ったらちょっと泣けてきた。
人々に笑って欲しくて、ジャッカスはバカバカしくてサイテーでなおかつ、危険なことにチャレンジし続けた。ただし、傷つけるのはおのれの身体だけ。ネットで他人を誹謗中傷する奴のほうが、よっぽど人を傷つけている。
血やウンゲロが本物なのでモノをつまみながら観るのはやめておくべきと一応忠告しますが、鑑賞後の印象は妙に爽やかである。とはいえシラフで観るものでもないのだが。あ、柑橘系のアルコールも控えたほうがよろしかろうと。
ジャッカスのシンボルマーク。ドクロの下のクロスボーンの位置にあるのが松葉杖。カッコいい。
メンバーは現在もそれぞれ活躍中。一名は鬼籍へ。




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性別:
男性
職業:
古本すうさい堂
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