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すうさい堂の頭脳偵察~ふざけてません。

すうさい堂は閉店しました。17年間ありがとうございました。

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ノー!ワイヤー!!ハンガーズ!!!



伝記というのは基本的に描く人物を良く見せるために「盛っていく」ものだと思う。「ワシントンは桜の木を切ったのでほめられました」とか。
ところが『愛と憎しみの伝説』(81)はリスペクトどころか、斜め上くらいに暴走しているように見える。
ハリウッド女優ジョーン・クロフォードの伝記映画。ジョーンを演じるのは史上最高の女ギャング「ボニー・パーカー」で有名なフェイ・ダナウェイ。もちろん当ブログを読んでいる人が『俺たちに明日はない』を観ていないわけがない、という前提で書いている。
どちらも若い頃は絶世の美女。ただ自分はジョーン・クロフォードの作品は、彼女が50代の『何がジェーンに起こったか?』しか観ていない。狂気の妹にいぢめられる姉の役だが、当ブログを読んでいる人にはおすすめの「娯楽作」であります。
この『あいにく(略します)』におけるジョンクロ(略します)の役こそが、『なにジェン(略します)』のガイキチ妹そのものなのである。

ジョンクロは子供が出来ない体質だった。それでも彼女は自分の子供が欲しかったので、女の子と男の子を一人ずつ養子に迎える。
子供たちにとって豪邸に暮らす何不自由ない生活に見える。が、養母は時折とんでもない感情の爆発を見せる。
特に長女クリスティーナに感情をぶつけ、水泳でガチ勝負をして「ざまーかんかん!」というくらいは序の口、化粧台でメイクをしていた幼い彼女にぶち切れ、髪をハサミでジャキジャキ切る!会社から専属契約を反故にされた夜には、怒りのあまり庭に植えていたバラの花をハサミでジャキジャキ切る!
子供を叩き起こし、「あなたたち、この花を運んでおしまいなさ~い!!」と絶叫。
ある晩、フェイスクリームで顔が真っ白のジョンクロが、クリスティーナのクローゼットの前に立っている。
そして「アレ」を見つけてしまう。針金ハンガーに下げられたドレス。
さてここで、この作品中でもっとも有名なセリフが飛び出す。皆様斉唱、せーの、
「ノー!ワイヤー!!ハンガーズ!!!エヴァー!!!!(なんで針金ハンガーにかかってんのよおおおおおおおおおおお!!!!!!)」
「高いドレスを雑巾みたいに扱いやがって!!」と、怒りが止まらない。
そして「まだあるんじゃないの見つけてやるわむきいいいいい!!と、服をバシバシ放り投げ、もう一本めっけちゃうのである。その針金ハンガー2号で、寝ていたクリスティーナをバシバシぶっ叩く!
さらには浴槽の床に目をつけ、「汚れてる!全然きれいじゃない!朝までにあんたが掃除しなさああああああい!!」と、洗剤をぶちまけタイルは真っ白。
なぜか深夜の風呂掃除を託された幼い女の子がつぶやく。「なんでこうなるの?」
いや、あまりにもものすごいシーンなので、3回もリピートしてしまいました。もちろん笑うためである。

大人になっても母親と長女の確執は止まらない。
やがてクリスティーナは女優として連続ドラマの主演を張るようになるのだが、ある日病気で倒れてしまう。
さあドラマどうしよう?と困っていたところに現われた仕事がないジョンクロかあさん、「私が代役をやればいいんじゃない?」。
大女優なのでこれが通ってしまいました。
つまり視聴者は60代のおばあさんを20代の女性だと思って観ることを強制させられるということなのだが、これは事実なのか?いくらなんでもなくないか?
やがて死が、母と子供たちの袂を分かつ。養母と養女は最後の別れでお互いの様々な感情を清算した。
はずなのだが、最後の最後の最悪なオチに、クリスティーナは泣きながらも思わず笑うしかないのであった・・・・ジ・エンド。

町山智浩氏の」名著『トラウマ映画館』にも『あいにく』は紹介されており、あまりにもドイヒーな内容に批評家の評価は散々、その年の最低映画賞まで受賞したという。
が、へんてこなものを愛好する好事家は存在する。代表格が悪趣味大王のジョン・ウォーターズ。
「この映画のクロフォードは『ジョーズ』のサメやゴジラと同じ」「ひとかけらの人間性も感じられない」と、彼流の言葉で大絶賛だ。
ウォーターズのようなセンスの人々が面白がってやがてカルト・ムービー化し、ゲイや女装趣味者の間では熱狂的に愛される作品となった。
ジョン・ウォーターズはダメ押ししている。「この映画はまったくダメじゃない。それどころか完璧だ」

「親愛なるマミー Mommie Dearest(原題)」という英語は本来の意味を離れ、今でも「子供を虐待する恐ろしい母親」という意味で使われている。クロフォードを知らない世代でも。
(トラウマ映画館「ハリウッド伝説の大女優、児童虐待ショー」より)


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帰ってきたひっとらぁ伯父サン



歴史上の人物が現代に蘇えってさあ大変、という映画は山ほどある。
あるはずなのだが、今なにも思いつかない。ちなみにマンガでは手塚治虫『ドン・ドラキュラ』が好きで、これは日本の練馬区で暮らすドラキュラ伯爵とその娘のドタバタコメディである。意外と人情ものだったりする。あ、歴史上の人物じゃないのか。
『帰ってきたヒトラー』(2015)を鑑賞。この作品を楽しんだほとんどの人が感じたことが「総統閣下、かわいい(はぁと)」だと思う。もっとも復活して欲しくない人物であるにもかかわらず、だ。
2014年のベルリンに唐突に蘇えってしまったヒトラーは、周囲の変化についていけずにびっくりしたり落ち込んだりしているうちに、キオスクの店主の情けで店に居候させてもらうことになる。
服がガソリンくさいと言われクリーニングに出すのだが、代わりがないから店からレンタルした黄色いポロシャツとジーンズで戻ってくる。単なるおっさんファッションなのに帽子はちゃんと被る、ってのが笑う。
かように(困ったことに)ヒトラーが、キッチュでファニーで愛らしいのである。同じ大量虐殺者でもこれがスターリンや毛沢東だと話が別。きっと小憎らしいに違いない。と、今書いていて思ったのだが、不思議なことにそんな映画は見たくもない。
そして局をクビにされたテレビマンが彼を見初め、「ヒトラー芸人」としてバラエティ番組に出演させる。
そこでヒトラーは得意の演説を一席ぶつ。要するに「テレビなんかに惑わされるな。みんなもっとちゃんとしろ」ということなんだけど、それがあまりにも真っ当な主張なので、マジで感動する人や面白がる人で盛り上がり、アドルフ・ヒトラーは再び大衆の人気者になるのであった。

オリバー・マスッチという主演俳優がヒトラーになりきって、野外ロケにも出かける。
顔をしかめる人もいるが、ドイツ人の多くがニコニコとアドルフ・ヒトラーを受け止めているという事実。
右翼団体の本部にもそのまま突っ込んで行ったりする。メタ・フィクションである。
この映画、「ドイツの政治がわかってないと面白くない」という意見もあったが、「ネオナチ」と呼ばれる人々がいる、ということだけ知っていれば全然オーケーです。それでもわからんってことであれば、申し訳ないけど知能指数の問題なので。
テレビ局の受付嬢(ゴス娘)にネットの操作を教わり、「人類の偉大なる発明インタルネット!」かなんか言いつつ初めて検索した言葉は「世界制覇」。萌え(はぁと)ますね。

ヒトラーの著作がベストセラーになり映画化も決定し、健全なドイツ国民の間で人気は高まるばかり。
その中で唯一、認知症のユダヤのおばあちゃんだけが「この男は悪魔だ。わたしの家族を殺した!」と彼の本性をさらけ出す発言をする。
それまでののほほんとした展開に冷や水をぶっかける辛辣なシーン。実際、カギ十字は登場しないし、強制収容所の映像も出てこないのでオブラートに包んだ印象だが、映画はそこから一気にブラックさが加速度を増す。
ちなみにヒトラーは「あるポカ」が原因で大顰蹙を買い、一度、人気が急降下する。そのエピソードはちゃっかりと宣伝ポスターに組み込まれている。作品を観たあとでわかるブラックジョークである。
登場したばかりの彼は「おもろいおっさん」だが、ラストは「恐怖の独裁者」然とした不穏な空気をしっかり纏っている。最初に書いたこととは矛盾してしまうけど、やはりヒトラーはヒトラーなのだという、一筋縄ではいかないコメディ(?)であった。

ちなみに「バカ系」が好きな人には『ナチス・イン・センター・オブ・ジ・アース』(2012)がおすすめ。
メンゲレ博士を中心に南極で生き残っていたナチスが、ヒトラーをサイボーグとして復活させるという内容。「マジンガーZ仕様の総統閣下」が大暴れします。









SUPER BAD=超イケてる!(でも童貞)



最近気が付いたことだが、「バカ映画」と「おバカ映画」は違うのである(どうでもいいですか?)。
「おバカ映画」はつまり、デイトコースにも活用できる作品で『テッド』『オースティン・パワーズ』などが当てはまる。モチーフもモフモフぬいぐるみだったり、ドジなスパイだったり。
それに対して「バカ映画」は登場人物がバカばっかりで、最初から最後までバカなことをやらかしており、下ネタも過剰に投下されるゆえ、デイトコースには向かない作品群である。『ネイバーズ』や『宇宙人ポール』などだ(「ポール」は実はハートフルだったりするんだが、お下劣なセリフも多いし、そもそもほとんどの女子は宇宙人とかに興味がない)。

上記二作品に絡んでいるのがセス・ローゲンという俳優で、実に渋いバリトン・ボイスを持った人なのだが、頭の中はバカなことばっかり考えているらしい。
彼の脚本と出演による『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(2007)が、ボンクラ的には実に面白かったのだ。
(ほぼボンクラ男子限定のような作品。これを手に取る奴の顔が見えるようだ)
セス(デブ)とエヴァン(もやし)という他のイケメンたちからはあまり相手にされていない様子の幼なじみが、高校を卒業するまでに童貞を捨てようとがんばる!という話。
どういうことかというと、やはり昔なじみの女子から「今晩パーティーをするのでお酒を買ってきて欲しい」と頼まれる。アメリカでは21才以上でなければ酒は買えないから、かなりの難題。
そこにもう一人の友だち、フォーゲルが現われ「偽のIDがあるから任せろよ~ん」と調子をこくのだが、まるでノベルティのような代物なので「こんなもんで買えるわけねーだろが!」と、足踏み状態。
ちなみにフォーゲル君はのちの『キックアス』シリーズでブレイクする、クリストファー・ミンツ=ブラッセ(「マザーファッカー」ですね)。
本作がデビューの彼はなんともいえないキモさを漂わせており、初登場シーンでは思わず吹いた。要するにリアル童貞感がハンパないんである。「メタリカのTシャツ着用」もポイント高い。
で、フォーゲルがどうにか買い物を済ませようとする瞬間、強盗に殴られ気絶。
そこにやって来た警官がセス・ローゲンとビル・ヘイダー(この人のどこか狂ったような目つきは見たことがあると思ったら、「宇宙人ポール」に出てくるバカ捜査官の一人だった)。
彼らのバカっぷり、ワルっぷり、無軌道ぶりのすごさが本作の肝。パトカーを爆破するまでエスカレートするのだ(あ、ラスト近くには警官コンビ+フォーゲル君による最高のギャグがあります)。
ギャグだとしても日本でこういうのは作れないのだろう。そう考えると「本官さん」を創造した赤塚先生はやはり偉大なのだった。
セスとエヴァンはおろおろしているうちに、セスが車にはねられ、ドライバーの素行の良くなさそうな男が「これからパーティーに行く。酒ならそこでいくらでもやるから許してくれ」ということで、会場に動向。
そっちはそっちでバカバカしいトラブルが連発する。
つまり「未成年が酒を買いに行ったが、様々なドタバタに巻き込まれてお目当ての女子がいるパーティーにたどり着けない」という映画である。
本当にバカバカしいし何の意味もない。しかしその無意味さが素晴らしい。
最後はそれぞれが童貞切って大人になっていくんだろうなと思わせる青春っぽい感じで終わる。のだが、エンドロールに流れる下品なイラストの連打!
「やっぱりバカ映画じゃん!」と嬉しくなりました。実は布石がちゃんとあるのだが、そこはコメディだから書かないけども。
もうちょい高尚な映画を観たという気分になりたい人は「性欲に振り回される時期のスタンド・バイ・ミー」と解釈してもいいと思う。する必要ないけど。
海外のコメディにはまったく興味がなかったのだけれど、最近開眼して参りました。

ところで「あまりにもひどいバカ映画」も時間が経つにつれ逆にオシャレと言われることがままあるような気がする。『ピンク・フラミンゴ』とか、もうそろそろ『ムカデ人間』の一作目とか。
ということは、かの悪名高い『ムカデ人間2』はこれだけは絶対にオシャレだなんて言わさねーぞ!!という非常に気高い魂の入った名作!なのである。


ハンゾー・ザ・レイザー



とにかく日々、居眠りをしているか映画を観ているかで大変いそがしいのである。
映画に関してはどこから手をつけていいのかわからなくなっていたのだが、ぼちぼち更新したいと思う。貧乏性なので、書かないとやっぱりもったいない。
ちょっと前に池袋文芸座にてマカロニ・ウェスタン二本立てに行ったら、自分が観る前の回に機材の故障で上映が30分途切れるというトラブルが起きていた。へえーそうなんだーと他人事だったけど。
それが『殺しが静かにやって来る』(68年/監督セルジオ・コルブッチ)だったのだが、クラウス・キンスキーの堂々とした悪党ぶりがカッコいい作品。そしてマカロニ史上最も無慈悲と言われるラスト。テーマ曲の美しさも出色。
全編、雪山での殺し合い。これは確実に『ヘイトフル・エイト』に影響を与えていると思う。
もう一本は説明不要の『続・荒野の用心棒』。ジャンゴだよ、オリジナル・ジャンゴだよ!
棺桶に仕込んだガトリング銃をぶっ放すシーンと、激鉄を墓石に立て、潰された両手で連射して速攻でケリをつけるラストが有名。改めて見るとあのめくら撃ちではほぼありえないラストなんだが、「カッコいい」は「ありえない」に優先する。いちいちツッコんでいたら、と学会なんかと同じになってしまいます。



そして先週が『御用牙』『御用牙 かみそり半蔵地獄責め』。二作とも日本では未DVD化。
勝新プロによる勝新太郎主演作なのだが、彼のキャリアの中で最もエログロ嗜好が全開な作品ではないだろうか。
板見半蔵は「その男、凶暴につき」な岡っ引き。お上には逆らい、「庶民のためなら何でもやる」ので、石抱きプレイグッズを常備のマイ拷問部屋も用意している。
いい塩梅の拷問を計るため、自分の身体で石抱きプレイを試したりする。真面目だ。
そして「庶民のためならレイプもする」ので、日々自分のものを鍛えている。
棒で打ち据えたり、米俵に突っ込んだりしているんですが、お百姓さんが一生懸命作ったお米をそういう用途で使うのは良くないと思う。
そして拉致した女を、狩猟で動物を生け捕りにする時に使う荒縄で作った罠に入れて吊るし上げ、下から自慢のもので突き上げるのである。
「いい加減吐かねえと抜いちまうぞ!」「あひいいい、やめないでえっ」かなんか言いつつ、くるくる縄を回転させたりする。まあエロというよりアホなんだが、両作品に登場する見せ場であります。
どうせ海外版DVDを取り寄せる人もほぼいないと思うので書いてしまうが、一作目(72年/監督・三隅研次)のラストは、「病気で苦しむ父親を見かねて殺そうとする娘と息子」を見かけた半蔵がその家に押し入り、「おまえらちょっと出てろ」と追い出したのち、父ちゃんを吊るして殺害。で、「自殺として処理」して一件落着!という豪快さ。どうも小池一夫大先生の脚本をそのまま映像化したらしい。モップスによる主題歌も豪快。

二作目(73年)は監督が増村保三にバトンタッチ。さらに粘着質に。
密かに堕胎を行っている寺の女僧と妊婦が裸で抱き合っているシーンの照明が原色とか、時代劇なのにそこまでやんなくてもよさげなサイケ感だが、こういうのが楽しいのである。
さらに後半は凶悪な押し込み強盗役の佐藤慶も登場し、メリハリがあるこちらのほうが面白いかもしれない。賄賂大好きでやな感じの上役・西村晃(a.k.a黄門様)もいい味。
風呂場に仕込んだブービートラップで相手を串刺しにするなど、両作品ともマカロニ的な残酷美学が濃厚。
マカロニもカツシン(勝新太郎というのもひとつのジャンルである)も「やっぱこういうのが映画だよなー」と非常に楽しかった。普段しょんぼりと暮らしている者にこそワイルドな表現が必要なのである。
普段からワイルドなひとは死なないようにがんばってください。


よいオマージュ、わるいオマージュ



「オマージュ」ということについて二本の作品を無理やり繋げて書こうと思うのだが、結局のところそれをやろうとした人が持つセンス、これにつきると思います。
サイモン・ペッグ&ニック・フロストの脚本と出演による『宇宙人ポール』(2011)、これはいいオマージュ作品。なぜならセンスがあるから。
アメリカのコミコンにやってきたオタクのイギリス人二人(SF作家とイラストレーター)がサイモンとニック。
オープニングでオンリー・ワンズの名曲「アナザー・ガール・アナザー・プラネット」が流れる時点で自分的にはかなりご機嫌。
会場ではしゃいでいる間は楽しいものの、ホテルやバーで男同士でいるとすぐにゲイ扱いされる。「これ、俺たちが思っていたアメリカとちょっと違くね?」
そんなこんなでドタバタが続いているうちに宇宙人「ポール」(本人が勝手にそう名乗っている)と遭遇。
ポールは政府機関に追われているので、オタ二人とキャンピングカー駐車場の娘(ルース)と共に逃避行するというお話。
ルースは目に障害があり、ガチガチのキリスト原理主義者で、最初はポールを悪魔呼ばわりしていたのだが、ポールの無理矢理な精神注入ワザによりあっという間に目と共に解放。
「姦淫したい!」と言い出し、やたらダーティーワードを口走るが、慣れてないから様にならないってのが笑う。
グレイ型宇宙人のポールは咥えタバコで下ネタを連発する、ほぼ「そのへんのおっさん」。
実は死体を生き返らせる力があり、事故で死んだ鳥を蘇えらせたかと思うと、いきなりそれを貪り食ったりする。「死んだ鳥は不味くて食えないからな!」
ポールを追う政府の捜査官と、その指令を受けたバカの部下二人(この人たちが実は一番面白い)が繰り広げるあらゆる「遭遇してみました」ギャグと、カルチャーギャップ・ギャグ。
コメディをあれこれ細かく言っても詮ないのでもう触れないが、間違いなくボンクラじゃなければ作れない名作である。
『テッド』にも少し似ている気もするが、公開はこちらが先。モフモフしてない分、動員ではテッドに及ばなかったようです。
独特なイケメンのサイモン・ペッグにどうせ女子人気は集中するのだろうけど、ニック・フロストも最高なのだ(というか、このコンビが抜群)。デブだからって邪険にすんな!と思う。

さてこれからはダメなオマージュについて。『サンブンノイチ』(2014)。
品川ヒロシ監督によるタランティーノのオマージュ作品。らしい。の、だが。
こんなのタラ先生にはみせられないよ。そもそもタラ先生は日本映画が大好きなのだ。こんなのみたらきっとガッカリしてしまうよ。
借金苦のキャバクラ店長とその部下と焼肉チェーン店のオーナー。彼らが銀行強盗をまんまと成功させ(え?)、三分の一に分けようとすると巻き起こる裏切り・逆転・ピンポンダッシュ。
レザボアドッグス、ですか?しかしあちらはプロの集団で、仲間が何人か死んでいるのだ。ド素人が無傷で現金強奪に成功ってな、ちょっといくらなんでもな!
茶番である。本当に茶番を見せつけられるのである。。軽く衝撃は受ける。なんだこれって意味で。
キャバクラ「ハニーバニー」とか、串揚げ「とらぼる太」とか「やっちまいな!」とか、あーもうわかったわかった。
ボスの窪塚洋介が放つ「おまえらシネフィルは~」というセリフに関しては、ライムスター宇多丸師匠がラジオで実に正しい批判をしているのでネットで探してみよう。ユー恥部に落ちているかもしれない。
で、中島美嘉。演技云々以前に正直、「こんなブスだったっけ?」と思う。ゴスは似合ってもキャバ嬢は完全なミスキャスト。
テレビ的なボケ・ツッコミも多く、こんなの映画じゃないよ。テレビでやってれば十分じゃないか。
芸人を映画監督として起用すると勃発する事故。これはつまり「Vシネマ」という受入れ皿がなくなったことが大きいのではないかと思う。彼らのセンスは映画の尺には足らないのである。
これも含め多くの芸人監督作品もVシネとしてリリースされれば、ひょっとしたら名作と呼ばれた、かも?
わっかりませんがっ。


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